㈱Shippioは4月4日、貿易書類を自動で読み取りShippioクラウドサービスへ自動転記するAI-OCR機能を提供開始すると発表した。今回、先行してB/L(Bill of Lading/船荷証券)に対応するAI-OCR機能を提供開始し、今後順次対応書類の拡充と精度向上を進めていくとしている。

国際物流の現場では、多種多様な貿易書類があらゆるステークホルダー間でやり取りされている。未だに紙やPDF形式が多用されており、書類情報を手作業でシステムに入力する工数は貿易業務従事者の大きな負担となっている。

Shippioは祖業である「Shippio Forwarding」でフォワーディング実務を担う中、多くの貿易書類を扱い、その処理作業の効率性について課題を感じていた。同様に顧客企業からも書類の転記工数削減に関して多くの要望をもらうことから、AI-OCR機能の開発へ注力し、今回提供を開始する運びとなった。

Shippio社内での実証テストでは書類の主要項目の読み取り精度97%を実現し、先行リリースとして貿易プロセスにおいて最重要書類であるB/L(船荷証券)を対象に機能を提供する。

●AI-OCR機能活用のメリット
今回提供を開始するAI-OCR機能は、Shippioシステム上にアップロードされた貿易書類をAI-OCR技術で読み取り、Shippioシステムに自動転記できるもの。追加でOCRに読み込ませる作業なく、荷主企業と物流事業者間の書類授受および書類情報のデータ化を同時に実現できる。

従来、手入力で対応していたコンテナ番号、航路番号(Voy No.)、B/L番号等の海上輸送貨物に関する情報を自動でShippioに登録可能となる。工数の削減はもちろん、手入力や目視によるミスの防止にも繋がる。また、案件情報がミスなく登録されるため、クラウド上で自社貨物を載せた船のトラッキングを速やかに開始できる。

AI-OCR機能の利用方法

●AI-OCR機能先行リリース 概要
対象書類:B/L(船荷証券)
対象サービス
・荷主企業向け貿易業務SaaS「Shippio Cargo」
・国際物流事業者向けSaaS「Shippio Works」
※AI-OCR機能は先行リリースとして一部顧客を対象に提供を開始する。利用に関する問い合わせは以下URLより受付。
https://service.shippio.io/contact

提供機能
・AI-OCR技術によるB/L(船荷証券)の自動読み取り
・読み取った情報の「Shippio Cargo」「Shippio Works」への自動転記、データ登録

今回のAI-OCR機能先行リリースにより、早期に顧客ユーザーからのフィードバックを受け取り、今後の機能改善(対象貿易書類の拡充・精度向上、書類間の情報突合といった新機能開発等)を加速していくとしている。

さらにAIをはじめテクノロジーを駆使した新機能開発に注力し、Shippio Platformでつながる貿易業界関係者の業務効率化、物流業界の変革に貢献していくとしている。