GROUND㈱は3月25日、自律型協働ロボット(AMR)「PEER(ピア) 100」を、NIPPON EXPRESSホールディングス㈱のグループ会社である日本通運㈱に導入したと発表した。

日本通運の「誰にもやさしい倉庫」プロジェクトで採用された「PEER 100」

今回の導入は、日本通運が推進する「誰にもやさしい倉庫(NX Universal Harmonious Work Warehouse)」プロジェクトの一環として実施され、広い施設内での搬送を支援するもの。

日本通運では、先進的なロジスティクスロボットや作業補助機器の導入を通じ、と職場環境の整備を通じて、これまで働くことが困難だった人々の障壁を取り除くことを目指す同プロジェクトを推進している。同取り組みでは、電動車いす、追従ロボット、AMRを活用し、最先端の物流施設の構築を目指すとしている。

今回導入された GROUND の自律型協働ロボット「PEER 100」3台は、物流施設内のピッキング作業や工程間搬送を支援するAMR。同プロジェクトでは、広い施設においてステーションから出荷場所までの無人搬送を行うことで、スタッフの歩行距離を削減し、作業負担の軽減に貢献するほか、「PEER 100」を含む様々なソリューションを組み合わせることで、歩行が困難な人も施設内作業を行える環境を実現したとしている。

●「PEER」シリーズの特長
①柔軟な導入が可能
AGV(無人搬送車)は、磁気テープやQRコード等の誘導体を必要とするが、「PEER」シリーズはSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を搭載しており、施設内の環境をリアルタイムで認識しながら最適なルートを選定し、自律走行できる。レイアウトの変更にも柔軟に対応し、固定の経路を設けることなく、自由な動線での搬送が可能。

②簡単な操作と迅速な導入が可能
「PEER」シリーズは、Wi-Fi 環境下で稼働し、タブレットやPCの専用インターフェースを通じて簡単に操作・管理が可能。また、AGVのような大掛かりな導入工事が不要なため、短期間での導入が可能となっている。

同プロジェクトでは、新たにメッシュ型無線アクセスポイント(※)を設置し、有線LAN敷設工事を不要にすることで、工期の短縮や工事費の削減を実現した。「PEER 100」の導入から稼働開始までを5日間で完了したことを明らかにsた。
※PicoCELA社の「PCWL-0500」を採用

③安全性能の向上
「PEER」シリーズは、複数のセンサ(LiDAR、カメラ、超音波センサー)を搭載し、周囲の人や障害物を検知しながら安全に移動することができる。特に、施設内での混在環境に適した設計となっており、作業員が行き交う中でもスムーズな搬送が可能。

④効率的なバッテリーマネジメント
「PEER」シリーズは、長時間稼働が可能なバッテリを搭載し、自動充電機能により常に最適な運用が可能。1回の充電で8~10時間の連続稼働が可能であり、稼働状況に応じて最適な充電タイミングを自律判断する。

●自律型協働ロボット「PEER」シリーズ詳細
https://www.groundinc.co.jp/services/robot/peer_speemaplus/

GROUNDは2024年より自社開発の物流施設統合管理・最適化システム「GWES」をNXグループのグローバル標準倉庫管理システムと連携し、人員配置と在庫配置の最適化を支援している。

今後も「PEER」シリーズのさらなる導入を進め、本プロジェクトの複数拠点展開を支援し、多様な従業員が働きやすい環境の整備に貢献していくとしている。