㈱バローホールディングス(バローHD)は3月4日、富士通㈱が提供するデータ連携基盤オファリング「Fujitsu Supply Chain Data Service」(SCDS)を既存EDI(電子データ交換)サービスの後継として、順次グループ各社に導入していくと発表した。
バローHDは、2024年5月14日公表の新中期経営計画における差別化戦略の柱として、商品在庫の効率的な配置をグループDXの次なる目標に掲げて取り組んでいる。特にグループ内の製造/流通会社および各取引先とのデータ連携の拡充がサプライチェーン全体の在庫最適化のみならず、物流改善や原価低減に寄与し、グループ競争力向上に繋がると認識しており、今回の取り組みはその一環となる。
バローグループは小売会社のみならず、約20の製造・調達会社および自社物流網を有しており、相互の情報共有のもとサプライチェーンの最適化を図ってきたが、物流をはじめとした今後のグループ外環境の変化も見据え一層進化していくため、グループ内にとどまらず多くの取引先との相互情報連携を強化する必要があるとしている。
次世代の EDI(SCDS)はその中核となる機能であり、従来の受発注情報のみならず、販売・在庫・物流・需要予測など多様な情報の連携を想定している。計画・構築にあたっては、既存EDIサービスの提供元である富士通が、「物流情報標準ガイドライン」の策定に参画し、データ流通の標準化検討や要素技術研究に携わりつつ、業界横断データ基盤の検討を進めていたことから、同社のニーズと合致し、パートナーとしての選定に至ったとしている。
●システム概要

・「流通BMS(ビジネスメッセージ標準)」や様々な業種・業界向けEDIなど定義の異なるデータを変換・クレンジングによりデータ活用・分析の精度向上
・従来EDIを通過するのみであった商流・物流データをデータレイクに蓄積するほか、API活用によりアプリケーション・システム間での直接連携が可能
・企業や団体を越えてデータ共有するデータスペースとの連携を考慮した拡張性
同社は今後、以下のグループ内企業の既存EDIを順次SCDSに移行していく予定。
・㈱バロー
・中部薬品㈱
・アレンザホールディングス㈱(ダイユーエイト、タイム、ホームセンターバロー、アミーゴ)
・㈱食鮮館タイヨー
・三幸㈱
・中部フーズ㈱
・中部ミート㈱(2025年2月導入済み)