日本パレットレンタル㈱(JPR)は2月26日、共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」で200社以上の企業に共同輸送の導入支援を行ってきた知見を活かし、コンサルティングサービスを開始すると発表した。

同社はこれまでもTranOptの提供を通じて企業の共同輸送導入の取り組みに伴走してきたが、その際にはシステムだけではなく、業務支援やツール、メソッドの提供等により共同輸送を実現している。今回提供するコンサルティングサービスは、業務支援やツール、メソッドを体系化し、各企業の物流課題に併せた提案・サポートを実施するもの。

これから共同輸送を検討する企業は、個別の状況に合わせてTranOptと併せて利用することも、コンサルティングサービスのみを受けることも可能としている。

JPRによると、TranOptとコンサルティングサービスは、企業が共同輸送の実現にあたって直面する3つのハードルを乗り越えることに役立つとしている。

共同輸送実現にあたっての最大のハードルは、「共同輸送の相手を探す」ことであり、TranOptはこれに対応するシステム。発着地点の位置情報だけでなく、積み荷の特性や、季節波動等も加味して最適な相手の候補を提示することが可能。共同輸送の相手探しの難しさは、すでに多くの企業が実感しているいわば「顕在化した」ニーズでもあるという。

TranOptのマッチング候補の平均実車率

2つ目は、相手探しの前に行うプロセスに生じるハードルで、時としてその必要性が顕在化していない。例えば、多数ある自社のルートの中で、どのルートが非効率なルートであるのかを企業の担当者が把握できていないケースは珍しくないほか、自社のルートを検討する際、データを正規化したり、複数のデータを統合する作業に苦慮したりするケースも多くあるとしている。TranOptコンサルティングサービスではこうした工程への支援メニューを用意している。

データクリーニングサービス

3つ目は、共同輸送の相手とのコミュニケーションに関するハードル。例えば、同一の企業グループ内や業界単位での輸送マッチングを行いたいというニーズは多くあるが、対話の場を運営するノウハウや人手が足りないためにスタートできない、スタートはしたが完結できないといった悩みが多く聞かれる。また、文化の異なる企業同士の共同輸送では、運賃の調整、テスト輸送による事前の確認作業といったプロセスが上手く進まないケースもある。TranOptコンサルティングサービスでは、企業と企業の対話を促進する「共同輸送コミュニティ」の企画運営のほか、パレット積み付けパターンのシミュレーションツール等を用意し、共同輸送の実現をサポートする。

コミュニケーションによる共同輸送の促進(家具・家電コミュニティ)

TranOptコンサルティングサービスは、これまでに創出した共同輸送成立実績や共同輸配送を推進するための様々な施策、さらにはJPRが長年営んできたレンタルパレットサービスで培った物流課題解決力を活かし、個々の事情に合わせたメニューを提供するとしている。