㈱椿本チエインは2月4日、KDDI㈱との合弁会社である㈱Nexa Ware(ネクサウェア)が、鈴与㈱の川越物流センターに、「次世代型物流システム」を2024年9月に納入し、本格稼働を開始したと発表した。


同次世代型物流システムは、複数の小型AGVが稼働する「T-Carry system」を採用。入荷商品をすぐに出荷先別に仕分けていく通過型物流センター(※)における最適な仕分け工程を実現したほか、物流センター内業務を最適化するデータ分析サービス「Nexa Warehouse-Optimizer」を付加することで、作業エリア別負荷状況の可視化や、現場状況に応じた作業員の適正配置など様々なサービスを提供している。同センターでは同システム導入により仕分け処理量20%向上をはじめ、多方面仕分けによる生産性向上、作業者負担の軽減等を実現した。今後もマテハンシステムと物流DXの連携によるシナジーを創出し、社会課題となっている物流2024年問題や労働人口不足等、物流現場が抱える様々な課題解決に対応していくとしている。
※商品保管をせず、物流の中間地点として仕分けや積み替えだけを行う物流施設
鈴与㈱川越物流センターは、雑貨店舗向けの通過型物流センターで、商品入荷と同時に仕分けを行い、各店舗へ配送している。文具や化粧品など商品点数が多くサイズも異なること、売場別など仕向け先別の商品保管棚が多数必要であること、また、季節・時間帯によって物量が大きく変動し、一時的に作業者負担が大きくなること等が課題だった。それらの課題解決に向けて今回Nexa WareのDXを活用した「次世代型の物流倉庫自動化ソリューション」を採用した。今後はNexa Warehouse-Optimizerのデータ活用拡大を図り、鈴与の「持続可能な物流」の実現に貢献していくとしている。
●「次世代型物流システム」の特長
①「T-Carry system」は、入荷商品をバーコードで読み取り、小型AGV80台が出荷先の間口まで自動搬送する。多方面仕分けに対応するほか、作業者が商品を取りに行く時間や歩行距離を大幅に削減し、生産性向上に寄与する。
②繁忙時の物量増加には、小型AGVの稼働台数を増やす等、柔軟な対応が可能。
③「Nexa Warehouse-Optimizer」によるデータ分析で、ネック工程、作業者の動線、入荷時間等を分析。小型AGVの搬送と連動し、間口での渋滞を回避する等、効率的な仕分けを実現する。
④分析データを活用した作業者の習熟度管理により、繁忙時期・時間帯に合わせた効率的な人員配置を実現し、物流センター全体の作業効率を平準化する。

●Nexa Warehouse-Optimizerによる負荷集中の可視化イメージ

・商品が集中しているゾーン(例:上図赤丸部分)を直感的に確認でき、作業員の配置を瞬時に判断できる
・小型AGVに対し、商品集中ゾーンを避ける配分指示やルート指示が可能
・小型AGVの稼働状況、ゾーンの混雑状況、作業員の生産性などをデータ化して傾向・ノウハウを蓄積。さらなる業務効率化に貢献
[参考]
●T-Carry systemについて
オルビス東日本流通センターの通販用出荷ラインへ
小型AGV330台を投入した世界最新のシステムを納入(2020年10月21日付 プレスリリース)
https://www.tsubakimoto.jp/company/news/press/2020/10/21/1/
●Nexa Warehouse-Optimizerについて
椿本チエインとKDDIの合弁会社「Nexa Ware」
物流倉庫業務を効率化するデータ分析サービスを提供開始(2024年8月23日付 プレスリリース)
https://www.tsubakimoto.jp/company/news/press/2024/08/23/1/