㈱Hacobuは1月27日、世界最大級の海運物流企業A.P.モラー・マースク(マースク)が、配車受発注・管理サービス「MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)」を導入して、荷主50社・サプライヤー30社の海上コンテナのトラック輸送データを一元的に管理することに成功し、輸送効率を大幅改善した事例記事を公開したと発表した。

マースクは、デンマークの首都コペンハーゲンに本拠を置く世界有数の海運物流企業であり、貨物管理とサプライチェーン・ソリューションを提供している。

A.P.モラー・マースクのコンテナ船舶

同社は陸海空の各輸送モードに適したDXを推進しており、海上輸送、航空輸送はグローバルに使用できる自社システムを使用している。一方、ロジスティクスサービス(陸上輸送)においては、各地域の特性があるため、グローバルで同一のシステムを活用していくことが困難だった。そのため、それぞれの国でソリューションを導入し、DXを進めている。

これまで日本国内では、TMS(輸配送管理システム)を使用しておらず、メールでのやり取りやエクセルを用いたアナログな方法でトラック輸送手配を行ってきた。そのため、手配業務における手間が発生し、トラック輸送に関するデータや実績の抽出が困難であり、集計に時間を要していた。加えて、台帳、配送依頼書、支払いシステムの3つにデータが分散していることも非効率の要因となっていたとしている。

●マースクにおけるMOVO Vista導入成果
マースクはMOVO Vistaを導入し、荷主50社、サプライヤー30社のトラック輸送データを一元管理することにより、以下の成果を実現した。

①輸送データをMOVO上で一元管理。データに基づくスピーディな戦略立案を実現
顧客ごとの案件数や利益率の分析が可能になったほか、将来的に配送が困難になるリスクに備えた配送依頼先の確保や、チャータ車の配車調整も可視化できるようになり、それらのデータを分析し、戦略立案に活用している。

②配送依頼のデジタル化により、業務効率を改善
配送依頼の簡略化が可能で、転記作業やメール作成等の非効率な作業から解放されたほか、サプライヤーとのやり取りが可視化されることによって、情報の透明性向上につながった。

●今後の展望
マースクはMOVO Vistaを活用し、会計システムとの連携による支払業務の効率化や、ラウンドユース推進による帰り便の活用およびCO2排出量削減に貢献する。

●マースク「MOVO Vista」導入事例の詳細
https://hacobu.jp/case-study/13633/

●配車受発注・管理サービス「MOVO Vista」について
荷主企業・元請事業者・運送事業者の企業間をつなぎ、配送案件の管理を支援する物流DXツール。一連のコミュニケーションをオンラインで行うことで、契約の書面化・電子化を実現。都度発生していた、電話・FAX・メールでのやりとりが不要になり、業務の効率化が実現できるだけでなく、誰にでも受発注状況がわかる状態となり、属人化を解消することができるほか、各拠点の輸配送データが蓄積・見える化されるため、拠点横断の配車最適化をはじめとした輸配送最適化を支援する。
https://hacobu.jp/movo-vista/