フューチャーアーキテクト㈱は10月31日、独自開発したスマートフォン上で稼働するAI-OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)ソリューション「Future EdgeAI」(※1)を、センコー㈱の住宅物流事業の業務効率化に向けて導入したと発表した。

1拠点目として2024年7月より埼玉県戸田市倉庫への導入を開始し、2024年10月からは新たに神奈川県厚木市、愛知県名古屋市等の4拠点に導入を拡大する。

センコーはセンコーグループの物流を担う中核事業会社として、全国ネットの貨物自動車運送事業を核に、倉庫、鉄道利用運送、工場内物流、海上運送、国際物流など幅広く展開している。フューチャーアーキテクトは様々な業界の経営とITをデザインし、戦略立案から実装までを一気通貫で手がけるコンサルティング企業。物流領域では、長年の業務知見と最新技術に精通した専門チームが顧客の物流改革とDXを様々な面から支援している。

今回、Future EdgeAIを導入するセンコーの住宅・建材物流倉庫では、住宅メーカーや建材メーカーの物流において、共同調達・共同配送を実現するため、個人住宅の建築に使用する住宅資材を集約し、邸別仕分け、加工、配送を行っている。これまで邸別仕分けの出荷業務では、作業員が紙に印刷された品番リストをもとに、配送先ごとに目視で資材を仕分けしていた。資材の外箱に直接印字または貼り付けされた品番を、読み上げ確認を行いながら仕分けし、さらにまとめて印字された出荷用ラベルと照合して資材に貼付していた。

Future EdgeAI導入後は、配送先別の品番リストをスマートフォンに取り込み、作業員は表示された指示をもとに対象資材を撮影すると、自動で資材の品番と個数が突合できるようになる。突合結果は作業記録として保存されると同時に、出荷用ラベルがプリンタから出力されるため作業員は照合作業をすることなく、出荷資材にラベルを貼り付けられる。

●出荷業務の作業フロー

最初に導入した戸田市の拠点では、作業員の仕分け結果を確認する検品者が不要になり、省人化を実現した。

また、導入前は、各作業員が対応できる製品範囲が製品知識により制限されていましたが、導入後は、製品に関わらず対応が可能になり、作業員の多能工化が進んだ。紙のリストや資材外箱の品番を目視しての作業がなくなることで、作業員の負荷が大幅に軽減すると共に、作業時間の削減や業務の効率化、類似品番の取り違い防止によるサービス品質の向上が期待される。

フューチャーアーキテクトでは、これまでも物流事業者の倉庫を中心に、国際貨物ターミナル、食品卸倉庫など多くの現場にFuture EdgeAIを提供してきた。今後も現場での業務運用に対応した個別のカスタマイズを行うことで、建築事業者、造船・プラント・重機事業者など幅広い業界の現場業務改善を実現する。

AI-OCRソリューション「Future EdgeAI」は、書類や伝票をスマートフォンやハンディターミナル等の携帯端末で撮影するだけで、その場で即時にデータ化できるソリューションです。携帯端末単体での文字認識が可能なため、オフラインの環境でも利用できる。同社独自のエッジAI技術により漢字、ひらがな、カナ、英数字など様々なフォントの活字に加え、手書き日本語も高精度で読み取れる。

※1:エッジAIとは、AI を搭載した端末が収集したデータを端末内で処理し、推論・学習を行うことで、瞬時に判断を出す技術。「Future EdgeAI」はフューチャー㈱の登録商標。