NIPPON EXPRESSホールディングス㈱(NXHD)と日本電気㈱(NEC)は9月4日、2020年10月から開始した価値共創に向けた探索プロジェクトを通じて、共同でフォークリフトやロボットアーム等を活用した遠隔搬送ソリューション「テレロボフォーク」(※1)、「テレロボハンドラー」(※2)の開発に取り組んでおり、2025年の提供開始を目指すことを明らかにした。

NXHDとNECは、2024年1月よりNXグループの倉庫で、フォークリフト自律遠隔ソリューション「テレロボフォーク」の実証検証を開始。今後、NXグループ国内5拠点を対象に運用検証を展開していく。

「テレロボフォーク」は、既存のフォークリフトに、レバー、ハンドル、ペダルを制御するアクチュエータと、カメラや高精度センサLiDAR等を後付けすることで自律遠隔制御対応を実現するほか、自律、遠隔、搭乗の3つの操作モードを簡単に切り替えることが可能となる。

庫内の映像データをもとにシミュレーションを行い、輸送ルートを自動設計する。自律制御時には、フォークリフトに搭載したカメラやLiDAR等でセンシングした周辺の状況をもとにリアルタイムにルートの見直しを行う。また、搬送ルート上の障害物や人等への衝突リスクを把握して、フォークリフトの速度を制限速度内で自動調整する。全てのフォークリフトのカメラ映像やセンサ情報をクラウドに集約し分析、制御することで、フォークリフトを倉庫外からも管理・操作が可能。

また、遠隔からの作業指示によりロボットアームの動きを制御できる「テレロボハンドラー」についても、2024年中にNXグループの倉庫にて実証検証を開始することを予定している。

「テレロボハンドラー」は、ロボットアームを活用して複数のパレット、カゴ台車への仕分け、隙間ない積み付け・積み替え等を、離れた場所から作業することが可能となる。事前のプログラミングは不要で、積み付け・積み替え作業の途中でカゴ台車やパレットの位置や物品、仕分け方法が変わっても、GUI操作(※3)等の簡易な遠隔指示により短時間で認識し、迅速な作業の再開を実現する。工事不要で設置でき、異なる作業場所へ簡単に移動させることも可能としている。

「テレロボフォーク」
「テレロボハンドラー」

遠隔搬送ソリューションは、作業の効率化にとどまらず、オペレーションの常識の変革や、距離と時間のギャップの解消、労働力確保、マーケットの変革、作業スタッフの働き方の変革等、多岐にわたる変革をもたらす。

なお、同ソリューションを国際物流総合展2024(会期:9/10~13、会場:東京ビッグサイト 東展示場)における両社ブースで紹介する。

●遠隔搬送ソリューション「テレロボフォーク」&「テレロボハンドラー」動画
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※1・2:テレロボとは、テレプレゼンスロボットの略称
※3:グラフィカルユーザーインターフェース。コンピュータ画面上で、マウスやタッチパネルを用いて画面上のアイコンや画像を直感的に操作・指示可能な環境