GROUND㈱は8月28日、自社開発・提供する物流施設統合管理・最適化システム「GWES(ジーダブリューイーエス)」の新機能として、AIにより配送計画を自動作成する「Delivery Optimizer(デリバリーオプティマイザー:DO)」の提供を開始すると発表した。

さらに、商品の箱詰めやトラックへの貨物積み付け時の容積計算で活用できる新機能「Loading Optimizer(ローディングオプティマイザー:LO)」の提供も開始する。なお、DO/LO共にGWESを導入していない企業でも利用可能としている。

複数の荷主企業との実証実験ではDO/LOの機能を連携することにより、小売業の企業ではチャーター便の台数を38%削減、卸売業の企業では宅配便・路線便の委託コストを30%以上削減している。DO/LOは倉庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム(TMS)とAPIで連携するため、大掛かりな基盤構築は不要で導入コストや導入期間の削減を実現する。

なお、GWESは三菱倉庫㈱、トラスコ中山㈱、日本通運㈱等に導入されており、稼働拠点が計50拠点と好調に拡大していることも明らかにした。

●「GWES」詳細
https://www.groundinc.co.jp/services/gwes/

GWESによる配送費削減のイメージ

物流は生活に欠かせないライフラインの1つである一方、物流2024年問題として「ドライバーの確保が難しい」「これまでのリードタイムやコストでの輸送が難しい」等の課題は深刻化している。特に配車計画業務では、従来は担当者が出荷における様々な制約条件や、自社便・チャータ便・宅配便・路線便等の複数の輸配送手段、さらにはそれらの膨大な組み合わせを考慮しながら配車を確定させる必要があった。配送計画業務は長年の経験に基づく属人性が高く、将来的な持続可能性確保の観点から、デジタル化を通じた標準化・効率化に対するニーズがますます高まっている。

そのニーズに対して、GROUNDでは2018年よりアルゴリズムの研究開発を進めてきた。2021年には、㈱NTTロジスコの「輸配送計画自動化システム」開発において、GROUNDの「経路計算」および「積み付け計算」のアルゴリズムが採用され、実証実験では配車担当者の稼働時間を25%削減、輸配送コストを5~10%削減という結果を得ることができた。

そこで同社は、より多くの企業が同アルゴリズムを利用しやすくなる環境を整えるため、GWESの機能としてDOを新たに開発したとしている。

●新機能について
DOは、AIにより配送ルートやトラックへの積み付け等を最適化した輸配送計画を自動作成するもの。配送費の削減やトラックドライバーの荷待ち時間削減、業務の属人化の解消に寄与する。

また、輸配送計画のノウハウをシステム化することで、業務の標準化を実現し、誰でも効率的な輸配送計画が立てられるようになる。これにより熟練者の確保が困難になるリスクの軽減にもつながり、深刻な人手不足が懸念されている物流2024年問題解決の一手になると同社では考えている。

さらに、商品の箱詰めやトラックへの貨物積み込み時の容積計算で活用できる新機能のLOと連携することにより、積載効率の向上や最大化を実現し、さらなるコスト削減につなげる。

●新機能「DO」「LO」機能の詳細
https://www.groundinc.co.jp/services/gwes/so/