ダイナミックマッププラットフォーム㈱、BIPROGY㈱、NEXT Logistics Japan㈱(NLJ)、ヤマト運輸㈱の4社は7月24日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)公募「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」における「自動運転支援道」事業の実施予定先として採択されたと発表した。
4社はコンソーシアムを組んで自動運転を支援するデータ連携システムを開発し、業務の効率化やリソースの最適化を目指すとしている。
なお、同事業ではレベル4自動運転トラックによる新東名高速道路(駿河湾沼津-浜松SA間)走行の実現に向けた実証実験を2024年度中に実施する予定。

デジタルによる社会課題の解決や産業の発展等を趣旨として、デジタル技術を活用した新たな社会インフラ「デジタルライフライン」を全国に整備する「デジタルライフライン全国総合整備計画」が経済産業省により検討されている。中でも「自動運転支援道」の整備はアーリーハーベストプロジェクトの1つに位置づけられ、物流においては共同輸配送や自動運転トラックの活用といった施策の基盤構築が求められている。
同事業は、自動運転を支援するデータ連携システムを開発し、各事業者の業務に共通する機能に必要なデータセットを提供することで複数の企業や業種間でデータ連携が可能となるデジタル基盤の構築を図るもの。なお、構築する基盤は物流分野のみならず、多様なモビリティ・エリアにて広く活用されうるものを目指す。
●同事業での取り組み
4社コンソーシアムで自動運転を支援するデータ連携システムを開発
・ダイナミックマッププラットフォーム:自動運転運行に係るデータ連携システムの開発
「自動運転支援道」の整備事業に関わる事業者全体と連携し、自動運転運行に必要な各種データの処理・接続ができるようにするための“データ流通システム”を開発する。また、既存の交通情報提供者や路側インフラ、車両等から提供される各種情報とダイナミックマッププラットフォームが有する3次元地図データを統合した情報を配信し、自動運転車両の安全走行を支援するシステム“車両情報連携システム”を開発する。
・BIPROGY:シミュレーションを用いたヒヤリハット情報共有システムの開発
車両や外部システムからヒヤリハット情報を取得し、シミュレーション化することで自動運転システムの開発に活用できるシナリオカタログを整備する。また、走行環境モデルやシミュレーション生成するための環境を開発する。
・NEXT Logistics Japan、ヤマト運輸:物流サービスデータ連携システムの開発
荷主の輸送需要をもとに作成された運送事業者のダイヤ計画やルート計画のデータ連携が可能となる共同輸送システムを開発する。当該システムとデータ流通システムや車両情報連携システム間の連携を実証することで、物流サービスにおける自動運転導入及びデータ連携による効率化の実証等を行う。
●コンソーシアム各社紹介
◎ダイナミックマッププラットフォーム㈱
同社は日本政府のバックアップと、自動車メーカー10社を含む国内企業が一体となった「オールジャパン体制」で設立された。日本を拠点に、アメリカ・ドイツ・韓国・中東にグループ会社を持ち、現在約300名(連結)のスタッフが在籍。現実の世界をデジタル空間に複製する高精度3次元データのプラットフォーマーとして様々な産業分野におけるイノベーションを支えている。
HP:https://www.dynamic-maps.co.jp/index.html
◎BIPROGY
同社は新たなパーパスに掲げた社会的価値創出企業の実現に向けて、2022年4月1日に日本ユニシス㈱から会社名(商号)を変更した。BIPROGYグループは、日本初の商用コンピューターによって今日の情報社会を拓き、以来60年以上にわたりシステムインテグレーターとして顧客課題を解決し、社会や産業を支えるシステムを構築してきた。この経験と実績をバックボーンに、様々なパートナーと共に取り組んできた社会を豊かにする新たな価値創造と社会課題解決の取り組みを加速させ、社会的価値創出企業に変革していくとしている。その取り組みの1つとして、自動運転車の安全性評価のためのプラットフォーム「DIVPRシミュレーションプラットフォーム」をBIPROGYグループのV-Drive Technologiesが提供している。
※DIVPは学校法人幾徳学園の登録商標。
HP:https://www.biprogy.com/
◎NEXT Logistics Japan㈱
同社は物流の社会課題解決を目的として、トヨタグループのメンバーを中心に設立された。この課題の解決に向けて、資本参加するパートナー企業や幅広い荷主企業・物流事業者と共に、物流最適化ソリューションシステム「NeLOSS(ネロス)」など高効率輸送スキームの構築を推進してきた。同社が確立した高積載運行のオペレーションを自動運転技術に繋げることで、持続可能な物流の実現を目指し、さらに取り組みを進めていくとしている。
HP:https://www.next-logistics-jp.jp/
◎ヤマト運輸㈱
同社は日本全国に物流ネットワークを展開し、「宅急便」をはじめとした物流サービスを提供している。時代の変化と共に「運ぶ」を通じて、「豊かな社会の実現」に貢献してきた。2024年4月から、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を始動し、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」になることを目指している。イノベーションを起点に、未来が問いかける課題に正面から向き合い、多種多様なパートナーと共に、「新たな物流」、「新たな価値」を創造していくとしている。
HP:https://www.kuronekoyamato.co.jp/