三菱ふそうトラック・バス㈱は7月24日、IoT(モノのインターネット)および機械学習による高度分析を活用し、川崎製作所における構内搬送車両の稼働最適化に着手したと発表した。
トラック車両や産業用エンジンを製造する川崎製作所では、フォークリフトやターレトラック等の構内搬送車両がおよそ300台稼働している。今回の取り組みでは、そのうち部品の搬送に用いる約200台を対象に、稼働最適化を進めている。
これらの車両は、運転手を固定しておらず、日々の状況に応じて流動的に使用されている。輸送が頻繁に行われる場所に配備された車両はほぼ休みなく稼働しており、運転手に対して車両の数が不足し、運転手に待機時間が発生してしまう場合がある。一方、輸送の頻度が低い工程の車両には、限られた時間しか稼働しないものもある。
三菱ふそうは今回の取り組みによって、工場内の搬送車両の最適な配置を見出し、「必要な場所に必要な数の車両が必ずある」という環境を作り出すことで、工場内物流の業務効率化を図る。
今回の取り組みによって、運転手の待機時間削減による業務効率化と、車両レンタル費用およびメンテナンスコストの削減が期待できる。
今回の取り組みでは、対象の車両にIoT端末(3次元加速度センサ)を装着し、日々の業務での稼働状況を定量的に分析する。端末はサン電子㈱の「おくだけセンサー」を使用する。約200台という大規模な分析を行う上で、搬送車両の業務に影響を及ぼさず、必要な粒度・量のデータを収集できることから「おくだけセンサー」を採用した。データは左右・前後・上下の3方向で収集され、機械学習のアルゴリズムによって稼働率を分析する。
三菱ふそうでは2024年3月より段階的に稼働データの収集を行っている。収集したデータの比較・分析を行った後、最適な車両の配置を検討し、数か月をかけて最適な配置での稼働を始める予定。
同社は今後も生産工程のデジタル化の取り組みを進め、IoTの活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)によって、製造現場の業務効率の最大化を目指す。