㈱ハクオウロボティクスは6月20日、東京ロジファクトリー㈱の物流倉庫で自動フォークリフト(AGF)「AutoFork」による、荷物用エレベータとの自動連携を実証したと発表した。

自動フォークリフトがエベータ内へ入る様子

今回の実証実験では、「AutoFork」がエレベータと連携し、エレベータを呼び出し、パレットをエレベータ内に自動搬送。さらに、エレベータが別のフロアへ移動後、別フロアの「AutoFork」がエレベータ内のパレットを自動取得できることを実証した。

エレベータ連携には㈱Octa Roboticsが開発したロボット連携システム「LCI」を採用し、荷物用エレベータと「AutoFork」との自動連携を実現している。「LCI」はロボットと建物設備(エレベータ、自動ドア、セキュリティ)との連携を可能とし、ロボットが建物内を自由に移動できるシステムとしている。

物流2024年問題の解決策として、自動フォークリフトによる倉庫内の自動化・効率化の実現が求められている。さらに、複数階の物件が多い物流倉庫では、エレベータとの連携による縦方向の自動化・効率化も重要視されている。

今回の実証技術が実用化されることにより、自動フォークリフトによるフロア内の横搬送とエレベータ連携機能による各フロア間の縦方向搬送の自動化・効率化が期待される。

同実験の様子はハクオウロボティクスのYouTubeチャンネルにてご覧いただけます。

なお、ハクオウロボティクスは2024年9月10日~13日に開催される国際物流総合展に出展する予定。

自動フォークリフトがエレベータと自動連携しドアを開ける様子

●実証実験時の動画
https://youtu.be/z6Z-FhY07AM

●実証実験の内容
「AutoFork」による以下の動作を実現した。

(1)エレベーター連携によるパレット自動搬入作業
①倉庫1階において、「AutoFork」が仮置き場のパレットを一括認識

②「AutoFork」がエレベータ手前に到着後、「LCI」を介してエレベータを呼び出し

③パレットをエレベータ内へ自動搬入

④パレットを搬入後、エレベータ2階への搬送を指令し、移動を完了

(2)エレベータ連携によるパレット自動搬出作業
①「AutoFork」が「LCI」を介してエレベータが2階に到着したことを確認し、エレベータ手前に移動

②エレベータの戸開を確認し、パレットを自動搬出

③倉庫2階の指定ゾーンにパレットを自動搬送

④全てのパレットを搬出後、戸閉指令を出し、作業を完了

●技術の特徴
物流倉庫のエレベータは荷物の輸送を目的とし、積載量が大きいことが特徴。今回の実験では積載荷重4tの荷物用エレベータで実験を実施した。

エレベータの制御盤にはOcta Robotics製「LCI Box」が接続されており、同社のクラウドサービス「Octa Link」を介して、4G回線を使って自動フォークリフト「AutoFork」と通信する。

同システムを利用して「AutoFork」は、エレベータの呼び出し、ドアの開閉状態の確認、荷物の積み降ろし、他階層へのエレベータの移動を自動で実行する。

重量物を積載してエレベータ内へ進入する際には、エレベータが倉庫の床面より沈み込む現象が発生する。これによりエレベータの“かご”自体が揺れるほか、出入口に段差が生じる。「AutoFork」は独自の制御技術によりそのような状況でも安定して搬送作業を行なうことが可能としている。

●今後の展望
ハクオウロボティクスはエレベータ連携機能の実用化を目指すほか、その他物流設備とロボットとの連携の取り組みを強化していくとしている。