㈱Hacobuは3月27日、キリングループロジスティクス㈱(KGL)が全国の主要10物流拠点にトラック予約受付サービス(バース予約システム)「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を導入したと発表した。

今後はMOVO Berthで取得したデータを活用し、荷待ち・荷役時間の削減に取り組むことにより、トラックドライバーの運行生産性向上を目指すとしている。

トラックドライバーの時間外労働の上限規制適用による輸送力不足により、物流が滞ることが懸念される「物流2024年問題」が課題となる中、生活に必要不可欠な飲料・酒類・食品のメーカーであるキリングループでは、生活者に商品を届けられなくなる事態を避けるため、持続可能な物流体制の構築に向けた取り組みを積極的に行っている。

キリングループの物流機能を担うKGLは持続可能な物流体制の構築に向け、「拠点戦略によるトラック運行数の削減」「トラック確保のためドライバーに選ばれる拠点であること」「積載率や回転率向上によるトラックの有効活用」に取り組んでいる。それらの取り組みを進めていくためには、各拠点でのトラックの荷待ち・荷役の実態把握が必要不可欠としている。今回、喫緊の課題である荷待ち・荷役時間の削減をはじめ、それらの取り組みを推進するため、全国の主要物流拠点へのMOVO Berthの導入を決定した。

●今後の展望
MOVO Berthにより、トラックの拠点滞在時間とその内訳を可視化し、改善点の特定と改善活動を行うことでトラックの荷待ち・荷役時間の削減を進めるほか、MOVO Berthのデータを活用し、各拠点における1日あたりの受入可能台数を検証することで、拠点戦略への活用や、フォークリフト配置の適正化、事前の積み込み準備の拡大等、庫内作業の生産性向上にも取り組んでいくとしている。

●キリングループのコメント
◎キリンビバレッジ㈱ 執行役員SCM部長 掛林正人氏
社会化する物流環境課題に対する荷主責務遂行の一手として、拠点状況の可視化は必要不可欠なピースと認識しています。KGLおよびHacobu社との連携を強化し、メーカーとして取り得る課題解決のアプローチを加速するとともに、他業界との連携を模索することでCSV経営の実践を進めてまいります。

◎キリングループロジスティクス㈱ 常務執行役員 小林信弥氏
MOVO Berthの導入により、ドライバーの運行生産性や物流センターの業務効率化を進めるとともに、これまでの現場担当者の感覚的な課題把握に加え、システムから得られる様々なデータを活用してこれまで見えていなかった事実を可視化することで、諸課題を抜本的に解決していきたいと考えています。導入効果を最大化し『変化対応力』に磨きをかけていくことで、ドライバーやパートナー企業様から選ばれる環境をつくりあげてまいります。