東芝インフラシステムズ㈱は1月12日、自動車用ブレーキシステムの開発・生産・販売を行うアイシングループの㈱アドヴィックスから、同社の倉庫運用管理システム(WES)をベースとした統合管理システムを受注した。
●システムイメージ
同システムは、モノと情報をQRコードで紐づけ「見える化」し、作業員に必要な通知をすることで、各工程での製造部品の滞留や作業待機時間を低減させるシステム。アドヴィックスの半田工場で4月に導入される予定。
アドヴィックスは、トレーを活用した製造工程を構築し、自動車用ブレーキシステムの製造を行っている。各工程でトレーの到着をきっかけに作業を開始するので、作業員はトレーの到着まで作業を開始できないほか、次の作業がその後いつ必要となるか不明だった。そのため、作業員の待ち時間が増加したり、作業者自身の判断で別のラインからトレーや部品在庫を持ってきて作業を開始することで、結果として各工程で多くの部品在庫を抱えたりすることが課題となっていた。
同社は2023年5月に人の作業を管理する倉庫管理システムと機械の制御を管理する倉庫制御システムを連携させる倉庫運用管理システム(WES)という新製品の営業を開始した(※)。そのWESをベースとした製造業向けシステムの拡販活動にも注力しており、今回、アドヴィックスには、QRコードをトレーにつけてトレーの位置を可視化する統合管理システムを導入する。これにより、トレーの情報はシステム経由で所定のPC画面で表示することが可能となり、作業員はリアルタイムでトレーの位置状況が分かる。そのため、トレー到着のタイミングを予測した上で、到着を待たずに予め作業開始が可能となるので、作業生産性向上と部品在庫の適正化に寄与する。
※倉庫運用管理システム(WES)新製品の営業開始について
https://www.global.toshiba/jp/news/infrastructure/2023/05/news-20230508-01.html
今回は対象ラインを絞った「見える化」のみのシステム導入となるが、より高い生産性向上に向けて同システムでデータを蓄積すると共に現場の意見を吸い上げた拡張システムの導入も検討されている。今後、各ラインへの製造部品の最適振り分け等、製造現場全体の生産性向上に繋がる機能改善を提案していくとしている。
●東芝インフラシステムズのロボティクス物流システムソリューション紹介ページ
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/security-automation/robotics-logistics.html