㈱エーディエフ(ADF)は10月31日より、冷蔵車を用いた輸送や冷蔵倉庫内での保管に適した、食品業界向けの保管庫兼物流ボックス「冷えテナー」を新発売すると発表した。

「冷えテナー」は同社の物流ボックス兼保管庫「ダンカーゴ」から生まれた新シリーズ。ボックスの前面・背面のパネルを失くしたことで、冷気が行き渡り、ボックスの内容物をトラック内同様に急速に冷やすほか、前後から取り出しができるため、「先入れ先出し」が原則とされる食品業界での保管庫としても適している。「トラック内での段積みを可能にし、輸送効率アップを叶える」 「保管した状態でフォークリフトで積み込みができるため作業者の負担軽減にも繋がる」 というダンカーゴのメリットを生かし、食品業界での輸送・保管の課題を解決するための新商品と位置づけている。

冷凍車・冷蔵車での積載効率アップを叶える「冷えテナー」、
フォークリフトで積み込みが可能で作業負担も軽減

来年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が課されることで人手不足がより深刻化し、国内の物流の維持が懸念されている「2024年問題」では、9割以上のトラックが担う企業間輸送に与える影響も大きく、さらに荷主には物流コストの負担増加も予想される。

このうち、食品の輸送の際に使用される冷凍車・冷蔵車は通常の輸送に比べて、燃料費が掛かることから「いかに1台のトラックの積載率を上げ、輸送効率をアップさせるか」も重要な課題だとしている。

「冷えテナー」は耐荷重1トンを誇り、トラック内での段積みを可能にし、トラック内のデッドスペースを作らず積載率アップを実現。同シリーズのダンカーゴでは、導入前後で積載率50%アップの事例もあるとしている。

「冷えテナー」は前面背面のパネルがないため、トラック内の冷気がボックス内にいきわたりやすく、通常のダンカーゴに比べて急速にボックス内を冷やすことが可能。通常のダンカーゴも断熱性はないため、冷蔵車・冷凍車で温度を保ちながらの輸送は可能だが、特に冷えはじめ(2時間後)において、通常のダンカーゴと冷えテナーでは5~7℃の温度差が確認されたとしている。

設定温度5℃の冷蔵車での実験結果

開発のきっかけは、保管庫としてダンカーゴを利用していた食品メーカーから、食品業界では賞味期限の問題から「先入れ先出し」(先に入れたものから順に使用し、保管期間を短くすることで商品の劣化を防ぐ仕組み)が原則となっており、前面・背面のパネルを失くし、原料を後ろから保管し、前から使用するといった形で使用できないかとの提案からだったとしている。

これにより、トラック内での段積みを叶える耐荷重を持ちつつ、前面・背面に開口部をつけたダンカーゴの新シリーズとして開発した。

また、ダンカーゴシリーズでは、パレットに載せたダンカーゴを倉庫からそのままフォークリフトで積み込み可能で、作業負担の軽減も大きな特長の1つだったが、冷凍倉庫・冷蔵倉庫ではフォークリフトの乗り入れが禁止されているケースも多くある。積み込みのさらなる効率化には、台車(同社商品「ちょいカーゴ」)と組み合わせることも可能。台車のまま倉庫外へ出し、フォークリフトで保管庫として使用していたボックスのまま積み込むことができるとしている。

冷えテナー
荷崩れ防止の桟ありバージョン

●新製品概要
商品名:冷えテナー
パレットサイズ:1,100x1,100mm
外寸:1,123x1,123xH1,014mm
内寸:1,068x1,068xH1,000mm
パネル:プラスチックダンボール(2面)
フレーム:アルミニウム
静荷重:1t
価格:見積
導入事例:https://dancargo.jp/hietainer/