㈱豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーは10月26日、電動フォークリフト用リチウムイオン電池「ENELORE(エネロア)」をリユースした定置用蓄電システム「MEGALORE(メガロア)」を開発したと発表した。
交換時期を迎えた電池を、近年需要の高まる定置用蓄電システムへリユースすることで、フォークリフト用リチウムイオン電池における循環システムの構築と蓄電池の普及に貢献する。なお、同社は経済産業省の「令和5年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用実証事業（DERアグリゲーション実証事業）※1」に参画しており、電力の安定供給に向けた取り組みの第一歩として、2024年1月より愛知県豊田市と共同で「MEGALORE」による電力使用量の平準化等の実証実験を行い、その有効性を検証する。
●システムの特徴
「MEGALORE」は、最大42個の「ENELORE」をコンテナへ積載した大容量の定置用蓄電システムで、総電池容量は家庭において1日に使用する電力量(※2)の約70世帯分に当たる777kWh(※3)。交換を前提に設計されているフォークリフト用電池は、車両からの回収が容易で、直方体という形状からコンテナへの効率的な積載が可能。また、「ENELORE」に設定されている電池容量や劣化状態のモニタリング機能は、「MEGALORE」の安定稼働に貢献する。今後は、実証実験で得られた知見や課題をもとに改良を重ね、商品化を目指すとしている。
※1：多数の再生可能エネルギーや分散型エネルギーリソースを束ね、正確に制御する技術等の実証事業
※2：環境省の「令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査結果の概要（確報値）」の世帯当たりの電気の年間エネルギー消費量より算出した概算値
※3：電池容量が20％低下した「ENELORE」42個を格納し、稼働した場合の理論値。実際の電池容量は、使用する「ENELORE」の残容量・使用環境によって異なる
●MEGALOREの概要
出力：250kW
総電池容量：777kWh
●実証実験の概要
期間：2024年1月中～2025年3月末（予定）
場所：豊田市民文化会館（〒471-0035 愛知県豊田市小坂町12-100）
実証項目：
①電力使用の平準化による経済効果
②電力市場における調整力としての活用
③災害時における非常用電源としての有効性
