日本パレットレンタル㈱(JPR)は9月5日、共同輸送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」の新機能を8月28日にリリースしたと発表した。

「TranOpt」の新機能

「物流の2024年問題」をはじめ、深刻化する人手不足や環境への配慮を背景に、持続可能な物流の構築が企業の経営課題の1つと位置付けられるようになっている。

JPRは2022年5月に長瀬産業㈱にTranOptをライセンス提供し、塗料・インキ等の化学品に特化した共同輸送マッチングサービス構築に向けた実証実験をサポートする等、化学品業界の輸送効率化にも貢献してきた。化学品は引火点の管理が必要な危険物があり、消防法等に基づく厳格な管理が求められている。

今回リリースされたTranOptの新機能の1つは、AIにより危険物の混載を制御する機能。同機能の追加によって、安全な共同輸送の機会創出が可能になるとしている。

●新機能について
今回リリースされる新機能は以下の通り。新機能によって、より安全で、よりスピーディなマッチングが実現する。

(1)AI による「危険物混載制御」機能
(2)自動「いいね!」機能

その他、様々なユーザビリティの強化を図ったとしている。

●AIによる「危険物混載制御」機能

危険物は、法令により第1類から第6類までに分類され、混載して運搬を行うことができない組み合わせが定められている。TranOptの「危険物混載制御」機能は、マッチングを行う際に危険物の種類を考慮し、混載が禁止された組み合わせをマッチング候補から除外し、混載可能な組み合わせを提示する制御を行う。

これにより、より安全なマッチング成立につながるとしている。運搬にあたって所定の条件を満たす必要がある危険物輸送では、共同輸送のハードルは一般貨物に比較して一段と高くなる。このような課題を背景に「危険物混載制御」機能を実装したとしている。

●自動「いいね!」機能

TranOptでの共同輸送開始までの流れ

TranOptでの共同輸送開始までのプロセスは上図の流れになっている。TranOptが提示したマッチング候補に「いいね!」でリアクションすることによって相手方企業との条件すり合わせに進む仕組み。従来は利用者がTranOptを都度操作することによって「いいね!」の意思表示をしていた。

今回追加された自動「いいね!」機能は、予め設定された条件のマッチング候補に対して、自動的に「いいね!」を返すほか、他の会員からのマッチング申し入れ(「いいね!」)に対しても、自動「いいね!」されるので、その場合も自動的にマッチングが成立する。

自動「いいね!」機能の利用は会員ごとに設定可能。これにより、よりスピーディなマッチング成立につながるとしている。