㈱Mujinは8月1日、知能ロボットとAGVを連携させ、多品種コンテナ・段ボール等のケースの搬送・積み下ろし・積み付け/棚入れを、最適なタイミングで実行する「多品種ケースハンドリングシステム」を開発し、3月の日本産業技術大賞受賞に続き、「2023年度ロジスティクス大賞」技術革新特別賞を受賞したと発表した。

工場や倉庫でリアルタイム動作生成により多品種ケースの移載を行う知能ロボットと、搬送を担う複数台のAGVを統合制御する技術面の革新度と、工場や倉庫における波及効果への期待が高いシステムとして評価されたとしている。

人手不足が深刻化する中、物流・製造現場で多く存在するサイズ・形状・蓋の有無が異なる多品種ケースハンドリングは自動化が難しく、人手に頼らざるを得ない状況だったとしている。

同社はその理由として、通常産業用ロボットを稼働させるにはカメラや周辺機器との連携、および、ロボットの一挙手一投足を設定するプログラミング作業を要するため、多品種を扱うケースハンドリングは高難易度の複雑な周辺機器連携と条件ごとの細かな動作設定が必要な点を挙げている。

同課題を解決するため、独自のロボット知能化ソフトウェアを活用して開発された「多品種ケースハンドリングシステム」の特徴は、以下の通り。

(1)多品種ケースハンドリング知能ロボット
根幹となっているのが、多品種ケースハンドリングを実行する知能ロボット。高精度な3Dビジョンによってケースの形状・位置・姿勢や周辺環境をリアルタイムに認識し、ロボット知能化ソフトウェアによって環境やロボットの可動域等の制約を踏まえた最適動作計算を行い、ロボットを直接制御することで実現する、臨機応変に対応が可能なロボットシステム。多種多様なケースに対しても最適なロボット動作を実現し、積み下ろし・積み付け/棚入れを実行できる。積み付け時には、積載効率、後工程における取り出し順序を考慮した、最適な荷姿を計算した上で実行する。

(2)知能ロボットとAGVの一括制御
同システムのもう1つの特徴が、知能ロボットとAGVのロボット知能化ソフトウェアによる一括制御。工程間搬送を担うAGV数台から数十台の群制御に加えて、知能ロボットと一括で制御することにより、前後工程の進捗状況を把握しながら、最適なタイミングでの知能ロボットとAGVの連携稼働を実現する。システム全体の制御を1社で担うからこそ、全体レイアウトの最適化やスムーズな機器連携に繋がり能力向上に貢献しているほか、ソフトウェアを通してシステム全体の稼働状況を遠隔でも確認できるため、予期せぬ事象発生時にも即座に状況を把握し、迅速な対応が可能な体制を構築している。

知能ロボットとAGVの一括制御