㈱アイディオット(aidiot)と日本パレットレンタル㈱(JPR)は7月20日、両社の製品・サービスを連携させる取り組みを開始することに合意した。

両社の製品・サービスの連携により、トラックの積載効率を向上させる共同輸送が実現しやすくなり、物流業界が直面する「2024年問題」への対策やSDGsの取り組みにつながるとしている。

2024年4月から法改正によってトラックドライバーの時間外労働時間に年間960時間の上限が設けられる。この法改正への対応および関連して予測される影響が物流の2024年問題と呼ばれている。

物流業界では、トラックドライバーの拘束時間に占める荷役や待機の時間を削減しながら運転時間(及び所定の休憩時間)を確保しようとする動きとともに、限られた輸送能力を活用する方法として共同輸送への関心が高まっている。他業種や他社との複数企業での共同輸送もさることながら、自社内やグループ会社間の輸送に改善の余地が大きく残されている。

例えば、複数の製品カテゴリ、あるいは複数の事業を有する企業において互いの連携がなく非効率な輸送が行われているケース。この非効率を改善するためには2つのステップの取り組みが必要としている。

第1のステップは、改善すべき輸送ルートを明らかにすることとしている。大半の荷主企業は輸配送業務を3PL事業者や運送会社に委託しており、空車回送や低積載等の課題のルートが把握できていないケースが多く見受けられる。まず膨大なデータを可視化し、改善を図るべきルートを把握する必要があるとしている。

第2のステップはルート同士のマッチングとしている。発地・着地の情報はもちろん、物量・輸送頻度や積み荷の特性等も考慮しながら、効率のよいルートの組み合わせを求めるためには膨大な計算が必要としている。

両社は以下のプロセスによって、企業の抱える現実的な課題に答えを提示する。

「ADT for 運送」は、アイディオットが提供するデジタルツインサービスで、運送に関する膨大なデータをもとに、限りなく現実に近い物理的なシミュレーションが可能となる。今回の取り組みでは、同一企業、同一企業グループ内の膨大なルート情報を可視化し、大きな改善効果が期待できるルートを提示する役割を果たすとしている。

ADT for 運送のイメージ

「TranOpt」は、JPRが提供する共同輸送マッチングサービスで、利用者がシステム上に登録する自社の空車回送や低積載等の課題のルート情報に対して最適な共同輸送の候補を提示する。今回の取り組みでは、ADT for 運送によって把握された低効率なルートに対して最適な共同輸送候補をマッチングする役割を果たすとしている。

TranOptのイメージ

以上のプロセスによって利用企業は従来効率化が困難だった自社や自社グループ内のトラック輸送の実車率や積載率の向上、車両数の最適化、CO2 排出量の削減等の効果を得ることが可能としている。

両社は、サンプルデータを用い、互いのソリューションを連携させたデモンストレーション環境を構築し、共同でマーケティング活動を行いながらニーズを深耕し、パイロットユーザー獲得を目指す計画としている。

●共同輸送マッチングサービス「TranOpt」サービス概要
https://lp.tranopt.jpr.jp/

Data:TranOptのAIがマッチングした輸送経路の平均実車率:93%

●デジタルツインサービス「ADT for 運送」サービス概要
https://aidiot.jp/product/adt/unso/
実用例:在庫最適のための最適な拠点配置戦略を立てたい
シミュレーション結果:総輸送トンキロが17%削減、想定の輸送コストが8%削減できる可能性