㈱ゼネテックは6月20日、3Dシミュレーションソフト「FlexSim」の最新バージョンとなる「FlexSim 2023」日本語版をリリースし、販売を開始した。

新バージョンでは、ユーザーエクスペリエンスの向上と機能強化により、「物流2024年問題」に備えるためのより効果的かつ効率的なシミュレーション環境を提供している。

「FlexSim」は、製造工場や物流倉庫など「人」や「モノ」が動く現場を見える化し、生産性向上や最適化のための事前検証がドラッグ&ドロップ操作により誰でも簡単に行える3Dシミュレーションソフト。

「FlexSim 2023」では、複数のフロアにまたがる倉庫や工場の滞留を解消し、全体最適化を図るためのモデリング機能が強化されたほか、物流倉庫で導入が進むAGVを始めとする自動化設備の検証機能や、モーダルシフト検討機能が強化されたことで、物流拠点での荷待ち時間削減や最適輸送が求められる「物流2024年問題」への備えを強力にバックアップする。

新バージョン「FlexSim 2023」の主な強化点は以下の通り。

・モデル構築の機能強化:
改良されたモデル構築ツールにより、複数のフロアをモデリングするための新しい機能がクイックプロパティに追加された。これにより、多階層のフロアにおけるフロアごとのモデル作成や動作検証が容易になり、作業の効率性が高まる。

フロアごとに表示のオン・オフ可能

・AGV+AMRモデリングの機能改善:
AGV(無人搬送車)とAMR(自律走行搬送ロボット)のモデリングニーズに対応するための機能改善を行った。新バージョンでは、デッドロックを回避する方法が定義でき、棚搬送システムや自動倉庫での挙動が自由に表現できるようになった。

AGV+AMRモデリングの機能改善

・AGVの機能強化:
最新バージョンでは、AGV の機能がさらに強化され、ユーザーは複数のAGVの動作を細かく制御し、より現実に近いシミュレーションを行えるようになった。AGVの回転する最大角度やターンの回転速度も考慮され、より正確に搬送時間をシミュレートすることで、現実に近い動きを再現する。

AGVの機能強化

・GIS(地理情報システム)ツールの機能強化:
GISツールに貨物鉄道用の移動ルートが追加され、サプライチェーンやロジスティクス間の移動に鉄道を利用することが可能になった。これにより、モーダルシフトによる鉄道を使った輸送シミュレーションの検証が可能。これらの強化点を備えた「FlexSim 2023」は、顧客がより洞察に富んだ意思決定を行うための強力なツール。シミュレーションモデル作成能力の向上により、ビジネスプロセスの最適化やリスク軽減に貢献し、組織の競争力を高めることができる。

GISツールの機能強化