オークラ輸送機㈱は3月22日、荷積みパレットのウイングボディトラックへの自動ローディング (積み込み )装置「コンパクト型トラックローダ TL-3F」を開発し、4月から受注活動を開始すると発表した。フォークリフトに代わって無人で積み込むことができるため、安全性はもちろん大幅な省人化と高速化を実現する。

「コンパクト型トラックロ ーダ TL-3F」

TL-3Fは 、物量の多い飲料系工場倉庫へ納入実績を持つ大型トラックローダの技術を活かして開発したもの。飲料系工場倉庫には1日100車ほどのトラックが到着するが、TL-3Fはもっとも市場が見込める1日30車程度のトラックが行き交う物流現場をターゲットにおき、コンパクト化を図り登場したとしている。

物流業界は、トラックドライバーの長時間労働への是正が求められる「2024年問題」への対策が進み始めている。国土交通省では、長時間労働の大きな原因の1つに、積み降ろし作業の遅れ等から発生する「荷待ちの長時間化」を指摘している。1か所の倉庫で1時間以上待機させられるケースは常態化しており、早急な改善が求められている。

TL-3Fは、大型ウイングボディトラック(10t、11t積み)への完全自動積み込みを実現する。レール上を走行するフォーク搭載のトラバーサ (水平移動装置)が、出荷バースまでコンベヤで運ばれてきた荷積みパレットを2パレットずつ持ち上げ、トラックの側面から積み込んでいく方式を採用している。

荷降ろし位置へ到着するとトラバーサは停止し、フォークが荷台奥まで伸び、パレットを載せる。そして、フォークを抜き、次のパレットの引き取りへと移る。荷台位置や積み込み位置など正確に読み取る独自のセンシング技術で動作するため、パレットを正確にすき間なく積み込む。

積載荷重は最大1,700㎏で、毎時80パレッ トの処理能力を備える。例えば、10tトラックにT11型パレット(1,100×1,100㎜サイズ)をフル積載の16パレット積み込む場合なら、わずか12分で完了。荷待ち時間が大幅に短縮する。フォークリフトでの積み込みは時間がかかる上、操作ミスや倉庫内をピストン走行するため、危険性が伴う。また、最近ではフォークマン不足も叫ばれており、積み込みの自動化ニーズは一段と高まっている。同社では、物流現場の要望に応え、TL-3Fの受注活動を積極的に展開していくとしている。概算価格はシステム一式で8,000万円、年間目標販売台数は10システム。

●システム構成と動作


●基本仕様


●製品参考動画
https://youtu.be/unPCiMU6Bkg