㈱Shippioは1月25日、国際物流プラットフォーム「Shippio(シッピオ)」の新サービスとして、2022年9月にベータ版として提供開始した貿易業務SaaS(Software as a Service)「Any Cargo」の正式提供を開始したと発表した。

「Any Cargo」の正式提供により、荷主企業が取り扱うすべての国際物流案件について、一覧での本船動静可視化や貿易書類・情報のクラウド上での一元管理が可能となり、国際物流業務全体の効率化を後押しする。

●荷主向け貿易業務SaaS「Any Cargo」サービスページ
https://service.shippio.io/lp/cloud/anycargo

「Any Cargo」は、荷主企業が取り扱う国際輸送の案件情報全体を「Shippio」のクラウドサービス上に取り込み、本船動静の自動更新や貿易書類・情報の一元管理を可能にするサービス。

従来は「デジタルフォワーディング」利用のシップメントのみ、同社のクラウドサービス利用が可能だったが、「Any Cargo」のリリースにより、他社フォワーディング案件についても、「Shippio」上で一元管理することが可能となった(※1)。

通常、荷主企業が国際物流を手配する場合、複数のフォワーディング事業者への委託と、シップメントごとの煩雑な業務管理が発生する。他社のフォワーディング事業者が取り扱うシップメントについても、クラウド上で一元管理し、業務効率化を実現したいとの要望を多くの顧客から受け、「Any Cargo」のサービス開発と正式提供の実現に至った。

正式版の提供に合わせて、特に要望の多かった本船動静については、自動トラッキング精度を上げるとともに、当初提供していたマスターBL番号によるトラッキングに加えて、コンテナ番号やブッキング番号でもトラッキングを可能とし、より精度高いトラッキングが可能となった。

「デジタルフォワーディング」の提供と合わせて、他社案件の一元管理も実現する「Any Cargo」を提供することで、これまで以上に多くのシップメントをShippioが提供するクラウドプラットフォーム上で一元管理することが可能となる(※2)。

※1:「Any Cargo」で利用できるサービスと「デジタルフォワーディング」で利用できるサービスは一部異なる。

※2:サービス利用に際しては、「Any Cargo」単体で利用することも、従来の「デジタルフォワーディング」を併用利用することも可能。

●貿易業務SaaS「Any Cargo」の特徴
(1)本船動静自動トラッキングで国際物流全案件の可視化が可能に
海上輸送における本船動静を自動でトラッキングし、正しい日付(ETD/ATDやETA/ATA)および洋上にある本船位置等を自動で更新する。システムと手入力のハイブリッドによるデータ取得で、高い精度の自動トラッキング(※3)を実現する。

精度の高い本船動静自動トラッキングにより、「Any Cargo」上で、各シップメントの可視化と一元管理が可能となり、荷主企業はシップメントごとに本船スケジュールを各船社サイトで確認し、表計算ソフト等に転記する、といった非効率で煩雑な業務が不要となる。

※3 海上輸送に特化し、FCLのみのトラッキング

本船動静自動トラッキングで国際物流全案件の可視化が可能

(2)貿易書類・情報をクラウド上で一元管理
シップメントごとに関係する書類・情報をクラウド上で一元管理することで、今までメールや表計算ソフト等が混在し、情報の所在が分かりづらく必要な情報取得に手間がかかっていた業務の効率化を実現する。

「Any Cargo」では、書類をクラウド上にアップロードすることで、貿易書類・情報を一元管理することができる。煩雑な貿易書類のファイリング作業を簡素化でき、ペーパーレスとテレワークの活用を促進できるほか、クラウド上で一覧・検索できるため、税関の事後調査や社内監査時にも必要な書類に簡単にアクセスすることが可能。

貿易書類・情報をクラウド上で一元管理

(3)チャット機能で社内での円滑なコミュニケーションを実現
営業や経理等社内他部門の担当者にアカウントを付与することで、社内の幅広い関係者が「Any Cargo」にアクセスすることができ、部門を越えての書類共有や、本船動静の確認がスムーズに行えるようになるほか、シップメントごとにチャットでコミュニケーションが行え、会話の履歴参照もできるため、スピーディかつスムーズに詳細な状況を把握・確認することが可能。

さらに、「Any Cargo」を国際物流業務のハブにすることで、貿易実務担当者に集中していた問い合わせを適切な担当に割り振ったり、各自がクラウド上で確認することで、社内の煩雑な問い合わせ工数を削減する効果も期待できる。

チャット機能で社内での円滑なコミュニケーションを実現

今後の開発計画としては、2023年内を目処に物流事業者向けのクラウドサービス提供を目指す。これにより「Shippio」上で、荷主企業と物流事業者が円滑にコミュニケーションを行うことが可能となるとしている。

●「Any Cargo」説明会開催概要
日時: 2023年2月6日(月)15:00~16:00
テーマ:【元SCM部長が語る!】貿易業務効率化の先に見える世界線 ~サプライチェーン可視化の未来~
登壇者:竹原功将(㈱Shippio セールスマネージャー)
聴講料:オンライン(ZOOM)無料
▼Webiner(無料)申し込み
https://service.shippio.io/seminar/webinar20230206