GROUND㈱は12月23日より、自社開発した物流施設統合管理・最適化システム「GWES(ジーダブルイーエス:GROUND Warehouse Execution System)」の新機能モジュール「Workload Forecast(ワークロード フォーキャスト)」と既存モジュール「Inventory Analyzer」の機能強化版を提供開始した。

倉庫実行システム「GWES」

「GWES」は今後国内で需要が高まることが予想されるWES(Warehouse Execution System:倉庫実行システム)として、ミドルウェアとなる共通データ基盤と、AIを適用した各種機能モジュール群で構成されている汎用性・拡張性の高いパッケージシステム。今回提供を開始する作業量予測モジュール「Workload Forecast」と在庫分析モジュール「Inventory Analyzer」の機能強化の概要は以下の通り。

●作業量予測モジュール「Workload Forecast」の概要と特長
「GWES」におけるAIを活用した最適化モジュールの1つで、物流施設における過去の作業実績や営業日、特定のイベント情報(セール開催日、月末月初等に発生する特殊な荷動き)を学習することにより、当日を含む未来の作業量を予測する。

同モジュールはその前身となるシステムにおいて導入実績があり、複数の事業者の物流現場でのPoC(※1)を経て開発されていることから、様々な物流施設のニーズに応えられる実用性と利便性が高いシステムとなっている。

物流施設における固有情報やトレンドを自由に設定し、年・月・週単位の波動をどれくらいの優先度で反映するかなどを指定することにより、より精度の高い作業量を予測することも可能としている。

「Workload Forecast」による作業量予測結果の確認画面

また、作業量の予測結果は、既存の可視化系モジュールの1つ「Progress Analyzer」(業務進捗管理モジュール)の作業進捗管理機能において、作業終了時間の見込み管理にも利用することが可能。物流施設管理者の日々の重要業務である作業計画立案や要員計画立案業務において「Workload Forecast」の作業量予測結果を活用することにより、勘や経験に頼らない精度の高い計画立案が可能となるとしている。

●在庫分析モジュール「Inventory Analyzer」機能強化について
在庫分析モジュール「Inventory Analyzer」で提供していたマップ上での在庫可視化機能に加え、在庫のABCパレート分析(※2)やツリーマップによる可視化機能を追加し、物流施設内での多面的な在庫分析を実現するほか、様々な分析結果のドリルダウンも可能となり、より直感的な操作での在庫管理を支援する。

「Inventory Analyzer」の在庫分析・可視化画面 (左上より)「在庫ABCパレート分析」、「在庫ヒートマップ」 (左下より)「在庫ツリーマップ」、「滞留在庫の検索・可視化」

GROUNDは今後も「GWES」を基盤とした次世代型物流施設および次世代物流の仕組み「Hyper Warehouse」の構築支援を通じて、物流デジタルトランスフォーメーションの推進を目指すほか、WES「GWES」の継続的な機能モジュールの拡充と提供をしていくとしている。

※1:Proof of Conceptの略。新しい概念・理論・アイデアを実際の開発に移す前に、実現可能性や効果を検証する工程のこと。
※2:「重点分析」とも呼ばれ、ある数値をもとにその累計割合を算出し、状況把握と管理方法の検討に役立てるもの。