東芝デジタルソリューションズ㈱(東芝DS)は11月22日より、倉庫運用最適化サービス「LADOCsuiteR/WES」の提供を開始した。
倉庫内の人と機械の物流作業について、データを俯瞰し、進捗をリアルタイムに把握、作業の完了時間を予測し、適切なリソース配分を行う等、人と機械を賢くサポート・制御することで倉庫運用の効率化に貢献するとしている。
物流倉庫や輸配送の現場では、刻々と状況が変わる中、限られた人員や機械でいかに効率的に出荷作業や荷物の輸配送を行うかが課題となっているため、倉庫での荷物の入出庫や在庫管理等、人が行う作業を管理するWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)と、荷降ろし・搬送、ピッキング作業等、ロボットやマテリアルハンドリング機器(マテハン機器、コンベヤやソータ)等の機械を制御するWCS(Warehouse Control System:倉庫制御システム)の活用が進んでいる。
しかし、人を管理するWMSと機械を制御するWCSの2つのシステムは通常統合されていないため、人と機械の作業を適切に配分し、効率的な運用を行うには経験と勘に頼らざるを得ないのが実情だった。
そこでWMSやWCSとつなぎ、人の作業と機械の作業を統合的に運用・管理するWES(Warehouse Execution System:倉庫運用管理システム)として、同社の倉庫運用最適化サービス「LADOCsuite/WES」を開発。WMS、WCSと連携し、倉庫内の人と機械のデータを蓄積し、見える化、分析・シミュレーション、最適化を行うクラウドサービスで、人と機械の作業データを俯瞰的に捉え、最適な作業計画を立て、進捗や負荷状況をリアルタイムに把握し、作業の完了時間を予測し適切なリソース配分を行うことで、倉庫の運用を効率化するとしている。
第1弾としてWESとWMSの連携機能の提供を開始し、WESとWCSの連携機能については今冬以降に提供を開始する予定。
●倉庫運用最適化サービス「LADOCsuite/WES」の特長
(1)倉庫内作業の「見える化」と「分析・シミュレーション」による進捗把握
人・システムのタスクや負荷状況データを収集、リアルタイムに集計し、見える化する。作業完了予定時間をシミュレーションすることで、作業遅れのリスクに早期に対処できる。
(2)作業に対する要員割り当てなどを最適化し、リソースを最大活用
分析・シミュレーションに基づき、倉庫内リソースの最大活用、スループットを全体最適化する。進捗予測で遅れが見込まれる場合、エリア間の要員調整等を最適にナビゲーションする。
(3)データ変換ツールを利用したスムーズなシステム連携
様々なWMS、その他のシステムとのデータ連携・編集を容易にする物流分野のデータ変換に特化したツールにより、既存システムとスムーズに連携する。
例えば、倉庫の作業員の突然の休暇、トラックの到着遅れ、荷物の量の急な増減等、リソースの臨機応変な見直しが必要な場合に、LADOCsuiteR/WESが倉庫内の人と機械のリソースのタスクや負荷状況を俯瞰し、分析・シミュレーションを行い、適切なリソース配分を提案する。
今後は、見える化、分析・予測、最適化の適用範囲の拡大に向け、㈱東芝研究開発センター、生産技術センター、東芝インフラシステムズ㈱との協働を続け、WESとロボット・マテハン機器等の自動化機器を制御するWCSとの連携機能を、今冬以降に順次提供・強化していくとしている。