富士通㈱は11月15日、国立研究開発法人理化学研究所(理研)と共同開発し、2020年4月に試行的利用を、2021年3月に共用(本格稼働)を開始したスーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスーパーコンピュータに関するランキングの「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」および「Graph500」において6期連続の世界第1位を獲得したと発表した。
「TOP500」は第2位、「HPL-AI」は第3位だった。今回の結果は「富岳」のフルスペック(432筐体、15万8,976ノード)によるもの。
これらのランキングは、現在米国テキサス州ダラスのケイ・ベイリー・ハッチソン・コンベンション・センター・ダラスおよびオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」において、11月14日付(日本時間11月15日)で発表された。
「富岳」は2020年4月の試行的利用を経て2021年3月に共用を開始して以来、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済等の幅広い分野において、社会実装レベルで様々な成果を創出し続けている。
富士通は「富岳」に採用されたテクノロジーをベースとした「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を含むHPC技術や組合せ最適化問題を高速で解く「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer」(※)等の高度なコンピューティング技術やAI等のソフトウェア技術を、専門の技術者だけでなく誰もが容易に利用できるようにクラウドサービス「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」として2022年10月25日より日本国内で提供を開始した。同社は今後も同サービスを通じて、これまで培ってきた技術を幅広く提供し、高機能な新材料の開発や、感染症対策、輸配送の人手不足等の社会課題解決につながるよう、顧客との共創を進め、取り組みを加速していくとしている。
●プレスリリース:スーパーコンピュータ「富岳」HPCGのランキング結果について
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/11/15-1.html
●プレスリリース:スーパーコンピュータ「富岳」Graph500のランキング結果について
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2022/11/15-2.html
※Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer:現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい組合せ最適化問題を解くことに特化したドメイン指向型(特定の領域に処理能力を特化)計算機アーキテクチャ(メモリや演算回路からなるコンピュータの基本設計)による情報処理技術