国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7月7日、「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業(※1)」で商品情報データベース構築のための研究開発を行う研究テーマを採択した。

同テーマでは、「ロボットフレンドリーな環境」の構築に向けてロボットが人工知能(AI)を活用して効率的に商品の画像認識等を行い、あらゆる小売店舗の棚等の欠品検知といった在庫管理をはじめ、ロボットによる自動陳列を実現するための研究開発を実施する。同テーマには、採択された4社からなるコンソーシアムが参画し、将来の社会実装に向けた基盤技術を構築する。

●概要
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少等を受けて、小売・物流事業においても人手不足の深刻化が見込まれており、ロボットのさらなる導入が求められている。特にスーパーやコンビニ等の小売店舗で共通して人手が多くかかっているレジ決済や在庫管理、品出し(商品陳列)の工程は、ロボット導入のニーズが高い業務だが、現状では多種多様な商品を正しく認識しその商品に応じた方法でつかむといった、品出しに必要な動作をロボットが行うことは困難。また、小売店舗では新商品が日々入荷しているため、逐次それらへ対応することも必要となる。NEDOは同テーマを通じて、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店舗におけるロボットによる決済や在庫管理、商品陳列を実現させ、小売分野の人手不足対応、生産性向上といった課題解決に貢献する。

●採択テーマ
今回採択したテーマでは、「ロボットフレンドリーな環境(※2)」の構築に向けて人工知能(AI)を活用してロボットが効率的に商品の画像認識等を行い、小売店舗の棚等の欠品検知といった在庫管理、品出し(商品陳列)、レジ決済を実現するための研究開発を実施する。同テーマには4社からなるコンソーシアムが参画し、将来の社会実装に向けた基盤技術を構築。具体的には、以下の研究開発に取り組む。

(1)商品画像データなどの仕様の明確化
(2)撮像・計測装置の開発
(3)対象物認識のためのソフトウエアの開発
(4)商品情報DBの構築
(5)DBの有効性の検証
(6)国内外の動向調査および継続的な運用検討

テーマ名:商品情報データベース構築のための研究開発
実施期間:2022年度~2024年度
予算:3.1億円(2022年度)
実施予定先
・アーサー・ディ・リトル・ジャパン㈱
・ソフトバンク㈱
・パナソニック コネクト㈱
・㈱ロボット小売社会実装研究機構(ROBOCIP+)

※1:人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業
事業期間:2020年度~2024年度
2022年度予算:26.8億円
事業概要:サイト内リンク人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業

※2:ロボットを導入しやすい環境を意味する。サービスロボットの社会実装のためには、ユーザーの業務フローや施設環境(サイバーおよびフィジカル環境)等の変革による「ロボットフレンドリーな環境」の実現が必要。同事業では、小売店舗においてロボットによる決済や在庫管理、商品陳列等を可能とするため、商品情報データベースを整備し、ロボットを導入しやすい店舗の実現を目指す。