京セラコミュニケーションシステム㈱(KCCS)は6月15日、AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE(シェルフアイ)」(※1)を鹿児島市立天文館図書館に導入したと発表した。

SHELF EYEは本の背表紙画像をAIで解析して蔵書点検の効率化を支援するサービス。ICタグを利用する蔵書点検サービ スは、全蔵書にICタを貼付する工数や機器の導入コストが課題と言われているが、SHELF EYEはタブレットのカメラで背表紙画を撮影するため、 低コストで導入が可能。また、セルフ貸出機は利用者自身で貸出手続きを行えるシステムで、セルフ貸出機をSHELF EYEの画像解析AIデータベースと連携させることで、背表紙画像から借りたい本を一括で識別することできる。

画像解析AIによるセルフ貸出機はICタグを利用した貸出機と比較して約50%(KCCS調べ)のコストで導入することができる。

同図書館は鹿児島の中心部に位置し人気の繁華街として広く知られる天文館にあり、2022年4月にオープ ンした複合商業ビル「センテラス天文館」内に開館、会話や飲み物も楽しめる新しいスタイルの図書館として注目を集めている。

基本的に年中無休で書架を整理する時間が限られていることから、短時間で効率よく蔵書点検や書架整理を行う必要があり、低コストで導入できるSHELF EYEを選定した。さらに、利用者向け新サービスとして、画像解析AIによるセルフ貸出機を導入した。

画像解析AIによる蔵書点検・セルフ貸出機が公共図書館で実用化されるのは国内初(KCCS調べ)となる。

運用を開始した4月の貸出実績は約2万冊、貸出方法はセルフ貸出機が70%、有人カウンターでの従来方式が30%だった。図書館運営において、セルフ貸出機の導入により、有人カウンター業務の工数を低減することができている。

また、セルフ貸出機の画像解析AIによる読み取り精度は99.5%(2022年4月9日~30日の実績値)となり、有効に活用されている。なお、撮影不良や背表紙画像・蔵書データの登録漏れ等が理由で読み取りができない場合、備え付けのバーコードリーダーで操作できるようになっている。

画像解析AIによるセルフ貸出機の利用イメージ

●鹿児島市立天文館図書館について
施設名:鹿児島市立天文館図書館
所在地:〒892-0843鹿児島県鹿児島市千日町1-1センテラス天文館4階・5階
蔵書冊数:約4万冊(2022年4月時点)
Webサイト:https://lib.kagoshima-city.jp/tenmonkan/

●AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」
https://www.kccs.co.jp/ict/service/shelfeye/