ユーピーアール(株)(upr)は4月14日、物流機器等の在庫・入出庫管理システムに用いていたアクティブRFIDタグを小型化した「DXタグ」を開発し、実証実験を開始した。

「DXタグ」

今秋より製品の提供を開始する予定。

「DXタグ」は、様々な用途に活用できるよう従来のアクティブRFIDタグを小型軽量化し、機能追加を行ったもの。固定資産管理から児童の在校状況、畜産動物の所在確認等が、目視不要で遠隔より管理可能となることから、様々なシーンで自動化・DX化に利用される。

同社は物流用パレットのレンタル事業を運営するなかで、パレットの在庫・入出庫管理がリアルタイムで可能となるシステム「スマートパレット」を提供している。これはアクティブRFIDタグ搭載のパレットと、電波を正確にキャッチする高性能の専用リーダ(受信機)を組み合わせた製品で、現在、アクティブRFIDタグは約40万個流通している。

かねてより「スマートパレット」を利用する顧客から、アクティブRFIDタグについて「もっと小型で、かつ装着が簡易なものはないか」「物流現場以外にも利用できないか」との要望があった。今回の「DX タグ」は、現行アクティブRFIDタグを小型軽量化し、装着の簡易化を実現したもの。さらに、用途に合わせて発信頻度を調整できる機能を追加したことで、従来以上に管理対象を拡大することに成功した。

●想定シーン
(1)固定資産管理、棚卸の簡易化と経費節減
多くのオフィスや工場では機械、器具・備品、建物の付属設備などの棚卸にかかる多大な工数や、不十分な管理による固定資産紛失等の課題があったほか、固定資産税を支払っていながら、実際は使用していない資産等も存在している。

「DXタグ」を用いることで、目視やバーコードスキャンといった手作業での棚卸が不要となることに加え、振動感知機能により物品の使用状況を把握できることで最適な資産形成と管理強化の簡易化が可能となる。

(2)児童の在校状況チェック
「DX タグ」は機器や物品だけでなく、人物等の出入りも可視化することができる。近年、IC カードを利用して登下校管理を行う小学校が増えているが、所定の機器にカードをタッチしない児童の所在は認識されず、またタッチした後の学校内の所在は分からないため、実際の在校状況を把握することが困難となっていた。「DX タグ」をランドセル(カバン)に入れ、専用リーダーを校門など所定の場所に設置するだけで、児童によるタッチ不要で在校状況を可視化する。読み取り結果の通知機能も備えており、登下校時に
保護者に通知が届く。周波数帯は、Wi-Fi や Bluetooth との干渉を防ぐ920MHzを利用し、最大300mの長距離通信が可能。また、低消費電力化により充電・取替不要の電池を内蔵し最長使用年数10年を実現している。

●商品詳細
商品名:DXタグ
サイズ、重量:82mm×35mm×18mm、約55g
使用範囲:-25℃~+60℃
通信規格:920MHz帯特定小電力無線局
ARIB STD-T108
特徴:読取距離最大 300m(リピータ利用でさらに拡大可能) 、防水対応(IPX7)、電池寿命最長 10 年(電池交換・充電不要)、振動・温度センサ内蔵
URL:https://www.upr-net.co.jp/iot/rfid/