マンハッタン・アソシエイツ(株)は4月13日、小売業における顧客の購買体験を向上させるクラウドネイティブ・ソリューション「Manhattan Active OMNI」 が四半期ごとにリリースされる機能強化によって、店舗を出荷拠点へと進化させるための数々の付加機能を拡充したと発表した。

同社はこれまで日本国内で、OMO(Online Merges with Offline)の購買体験を向上させるためのソリューションとしてManhattan Active OMNIを提供してきた一方、市場ではここ十数か月の間に店舗販売が急減し、オンラインショッピングへの移行が急速に進むなど、顧客の購買動向に大きな変化が現れている。今回同社が提供を開始した新機能を活用することで、顧客に対してオンラインとリアルのシームレスな購買体験を提供することが可能になる。

同社が目指す理想的なオムニチャネル・ソリューションは、実店舗に求める商品の在庫がない場合でも、その延長線上にあるEC向け在庫や他店舗の在庫を検索してすぐに用意することができる、いわゆる「エンドレスアイル」によって、顧客を飽きさせず、買う気を失わせないようにする、充実したショッピング・インフラを提供することにある。

●新たな付加機能のポイント
(1)入荷処理と例外処理を一括で入力
目玉となるのが、店舗に入荷した商品の破損・欠品の報告を入荷処理のプロセスと同時に行うことができるようになった点。従来は例外処理を店員が入荷後に別工程で行っていたが、入荷数量を入力する際に、その場で見つかった破損・欠品による不足分を同時に入力することができる。さらに追加入荷の処理も即座に行えるなど、パッケージ内の全商品に対しての例外処理を一連の操作の中で済ませることが可能になった。店員は例外事象に応じた在庫情報の修正を行う必要がなくなるため、修正作業の遅れや、後でやろうと思ってうっかり忘れてしまう等のミスを防ぐことができる。これにより、あらゆる販売チャネルで全社の可用在庫をリアルタイムかつ正確に把握することができる。

(2)ビジネスの優先順位を考慮したピッキング
さらに、ダイナミック・ピッキングによる出庫の優先順位付け機能も大きな改良ポイントとなっている。ダイナミック・ピッキングとは、繁忙期の影響、優先する販売チャネルの選択、市場状況の変化等に対する企業の戦略(優先事項)、商品の在庫状況等、様々なビジネス要因をリアルタイムに加味しながら、どの出荷先にどの在庫を引き当てるのが最も適切なのかを動的に決定していくというもの。標準的な先入れ・先出しのみならず、全体の状況を見ながら売上や利益に最も貢献するような、優先順位を付けたピッキングを行うことが可能になった。このほかにも、顧客が自ら配送先の住所を変更できる機能、特定の配送先に配送制限を加える機能、モバイル端末のフレキシブル・ペアリング機能等、数多くの柔軟な機能が追加搭載されている。

(3)オーダーと在庫を集中管理するアダプティブ・ネットワーク・フルフィルメント
実店舗やオンラインショッピング等あらゆる販売チャネルから入る全オーダーを集約し、物流センターはもとより実店舗を含む全社の在庫(=エンタープライズ在庫)を統合的に管理することで、特定の在庫拠点で商品が欠品していても、個別の店舗の在庫を引き当てる等の柔軟な対応を可能とする。こうしたアダプティブ・ネットワーク・フルフィルメントと呼ぶ、オーダーと在庫の集中管理で実現するフルフィルメント作業の動的な最適化によって、店舗では店頭に在庫がない場合に最短での納入日を提案できるほか、オンラインショップでは途中で購入を放棄するカート離脱を排除し、販売機会の損失を最小限に抑えることが出来るようになる。