日本電産(株)とアドソル日進株は2月2日、屋内位置情報ソリューション事業に関する業務提携契約を締結した。

日本電産は2016年より、フィンランドのQuuppa 社の戦略的パートナーとして、同社が開発する高精度屋内位置測位システム(Indoor Positioning System:IPS)を輸入しており、製造業・ヘルスケア・物流・スポーツ解析等多岐にわたる分野への納入実績を持つ。日本電産とアドソル日進はIPSの位置データを活用して、工場内の作業時間や滞留時間を自動計測、工程分析を行い、作業者の動線・仕掛品のレイアウトの最適化による生産性の向上やフォークリフトとの衝突回避・作業者の見守り等、安全強化支援に役立つソリューション・パッケージを共同で企画・開発し、2月より販売を開始する。

同パッケージには、所在探索や動線管理、禁止エリア立ち入りアラーム等、屋内位置情報ソリューションとして必要な機能一式がテンプレートとしてあらかじめ用意されており、その中から各顧客が必要な機能を選ぶことで、カスタマイズのためのコストと時間を最小限に抑えた形で、製造業やスマートビル等多様な分野にソリューション提供が可能となる。

今回の提携において、日本電産は提携済のIPSパートナー網と連携しつつ、測位精度向上やAGVとの連動、各種センサ情報の取り込み等を、アドソル日進は両社が共同企画したアプリの開発を担当するほか、GPSやRFIDとの併用や、セキュリティ強化やプライバシー保護等、同社の強みも提供する。

Quuppa社のIPSは工場や病院等で移動する人/モノの所在を高精度かつリアルタイムで測位できる点が特徴となる。同システムが取得した位置情報を取り込むことで、人/モノの所在や動線がサイバー空間上に再現・解析され、フィードバックされることで生産性向上や安全管理等の問題解決・最適化につなげようとするもの。今回の提携により両社はDXソリューションの実現を加速し、様々な分野における課題解決に寄与することを目指す。

なお、今回の提携による両社の2022年3月期業績への影響は軽微と見込んでいる、としている。