大塚倉庫㈱は10月16日、医薬品物流の高度化と社会的責任の遂行に向け、「品質文化宣言」を制定したと発表した。
同社は、医薬品をはじめとする人々の健康に貢献する製品をグローバルに展開する大塚グループの物流事業会社として、単なる「モノの輸送」でなく、人々の健康に資する製品を届けるという「メーカー物流」の役割を担っており、医薬品を必要としている人、場所に届くまでの工程を支える存在として、その品質確保は極めて重要な責務となっている。
今回制定した品質文化宣言は、本社、現場、委託先、荷主が一体となり、安全と品質を最優先に考える文化を醸成するほか、サプライチェーン全体の品質向上を推進するための指針となるもの。
●品質文化宣言
同社は、「物流に、GMP(※1)の思想を。」を品質コンセプトとして掲げる。製造工程において培われた品質マネジメントの考え方を物流現場にも展開し、品質を最優先とする文化の定着を図る(医薬品の適性流通(GDP)ガイドラインに準拠することは前提)。その実践に向け定められた行動原則は以下の3点。原文のまま掲載する。
①物流を、とめないこと。 ―安定供給の実現―
医薬品の安定供給を最優先事項とし、全国ネットワークと高度な運営体制により、いかなる状況においても物流を止めることなく製品を届け切る最大限の努力をします。
②物流を、とめること。 ―品質・異常管理の徹底―
異常の兆候を捉えた際には、物流をあえて止める判断を躊躇せず、品質確保を最優先とした統制を行います。デジタルQMSにより、迅速かつ的確な判断と是正を実現します。
③物流が、とまらないこと。 ―持続可能な物流基盤の構築―
環境変化やリスクに対応可能なレジリエントな物流体制を構築し、継続的に進化する仕組みにより「止まらない物流」を実現します。
●品質文化を支える取り組み
同社は上記宣言を実践する基盤として、全国の物流拠点および委託先を対象にデジタルQMS(品質マネジメントシステム)を展開し、品質情報の一元管理を推進している。
デジタルQMSでは、
・逸脱管理
・CAPA(是正・予防措置)
・変更管理
・教育管理
・有効性評価
等の品質情報を一元管理し、サプライチェーン全体の品質レベル向上を継続的に推進する。
また、全国の拠点・委託先を含む品質情報をリアルタイムで把握することで、品質リスクの早期検知および迅速な是正対応を可能にする。
●デジタル技術による現場品質の向上
デジタルQMS導入にあわせて、入出庫作業を支援する新WMS(※2)「MONOLITH PICKING(モノリス ピッキング)」および配送業務を支援する「MONOLITH NAVIGATION(モノリス ナビゲーション)」を新たに開発した。順次現場への導入を進めており、2027年中の完全導入を目指している。
MONOLITHシリーズの導入により、
・パレットと積載商品データを紐づけ、パレット単位検品の実現
・物流データをASN(事前出荷データ)化し、発着両方で共有する
・庫内だけでなく、配送中の温度管理、動態管理含め物流の見える化
・品質リスクの早期検知を本社にて一元管理
・迅速な是正対応
を実現し、品質マネジメントのさらなる高度化を図る。



※1:GMPとは、「Good Manufacturing Practice(適正製造規範)」の略で、原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準のこと。
※2:WMSとは、「Warehouse Management System」の略で、物流倉庫における「入荷」「検品」「在庫」「出荷」等の業務を一元管理し、効率化するための倉庫管理システムのこと。

