西日本旅客鉄道㈱(JR西日本)と佐川急便㈱は5月27日、「顧客体験価値の共創」に関する連携協定を締結した。
両社は今回の協定の取り組みを「モビリティとロジスティクスの共創エコシステム」と位置づけ、各々の強みを生かした取り組みを進めることで、以下2点の価値提供に挑戦する。
①モビリティとロジスティクスサービスのシームレスな連携による「顧客体験価値の向上」
②観光に付随する手荷物の課題解決によるインバウンドを中心とした「交流人口の拡大」

●連携協定締結の目的
今回の協定に基づき展開する取り組みを「モビリティとロジスティクスの共創エコシステム」と位置づけ、「顧客体験価値の向上」「交流人口の拡大」の2点の"価値提供"に挑戦する。各々が有する強みやアセットを組み合わせることによる、西日本エリアの地域が抱える社会課題の解決を目的としている。
また、日本の人口が減少する中で、地域活性化の観点でも、インバウンド旅客の地方誘客が重要。両社の共創により、インバウンド旅客が地方を訪れやすくする運送サービスを戦略的に提供していくことで、地方誘客の促進と持続可能な地域経済の活性化の両立を目指す。
なお、これらの取り組みを通じて、JR西日本グループが中期経営計画で掲げた「移動におけるサステナブルなエコシステム」の実現と、SGホールディングスグループが中期経営計画で掲げた「リアルコマース※」の展開による重点戦略の推進を図る。
※リアルコマース:コンシューマー(個人顧客)が立ち寄る場所に提供する配送サービス、2025年7月より「SAGAWA手ぶらサービス」の名称で運用
●JR西日本と佐川急便の取り組みにより提供したい価値
①モビリティとロジスティクスサービスのシームレスな提供による「顧客体験価値の向上」
~2030年代を目途に共創プラットフォームを通じたシームレスな予約を実現~
JR西日本の鉄道予約システムと、佐川急便の物流配送システムを連携することで、モビリティとロジスティクスのシームレスな提供を目指す。具体的には、2030年代を目途に、「JR西日本グループ中期経営計画2030 -次なる成長に向けた共創と挑戦-」で掲げた「移動の共創プラットフォーム」を通じて、両社のシステムを連携し、顧客に対して移動に関連した多様なサービスと共に、両社のモビリティ・ロジスティクスサービスを提供することを目指していく。また、2028年を目途に、佐川急便の物流オペレーションシステムとの連携を通じて、JR西日本グループが提供する様々な荷物に関するサービスの統合による、効率化と利便性の向上を目指す。

②観光に付随する手荷物の課題解決によるインバウンドを中心とした「交流人口の拡大」
近年、インバウンド旅客の間で西日本エリアの人気は高い一方、鉄道での観光では手荷物の持ち運びが大きな課題となっている。オーバーツーリズムが社会問題となる中で、観光地や列車内における手荷物のマナーや、手荷物による観光地の選択の制約への対処が急務。そこで両社の強みとアセット、システムをかけ合わせることで、新幹線による高速な広域配送と、物流トラックによるきめ細やかな地域内配送を組み合わせた手荷物配送サービスの提供を目指す。具体的には、旅行前(旅マエ)で人の移動と荷物配送をセットで予約・決済でき、駅や空港、ホテルで預けた荷物を、目的地の駅やホテルで当日に受け取ることができるサービスの提供を目指していく。その第一歩として、2026年6月より、京都・大阪⇔広島・博多間で、手荷物即日配送サービスの実証実験をJR西日本とジェイアール西日本マルニックス、佐川急便の3社で実施する。


