NIPPON EXPRESSホールディングス㈱(NXHD)は10月21日、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、ASEAN地域で産地直送型の生鮮品ECプラットフォーム事業を展開する㈱SECAI MARCHE(セカイマルシェ)に出資し、10月8日に資本業務提携契約を締結したことを明らかにした。
SECAI MARCHEは2018年に日本で創業し、ASEAN域内のホテル・レストラン・カフェ等に向けて、生産者と消費者を直接つなぐ産直生鮮品ECプラットフォーム「SECAI MARCHE」を運営している。同社は自社構築のコールドチェーン物流網を活用し、日本産および現地産の高品質な生鮮品を安定的に供給。生産者と利用者が持続的に成長できるサプライチェーンの構築を目指し、「創る人と使う人がダイレクトにつながり、情報と商品が公平に流通する世界を創造する」というミッションを掲げている。
●出資の背景と目的
ASEAN地域では経済成長に伴い、都市部を中心に高品質で新鮮な食材への需要が拡大している。こうした市場環境の変化に対応するためには、鮮度保持や効率的な物流体制の整備が不可欠として、SECAI MARCHEは産地から消費地まで一貫したコールドチェーンを構築し、食品廃棄率を大幅に低減することで、生産者・飲食店双方にメリットをもたらす仕組みを確立している。
また、日本政府は農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円へ拡大する目標を掲げており、海外市場における日本産品の需要拡大が期待されている。
NXグループは長期ビジョン「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」の実現に向けて、企業価値の向上と社会課題の解決に取り組んでいる。今回の出資により、SECAI MARCHEとの協業を通じて、成長著しいASEANの生鮮品流通市場におけるプレゼンスを高めていく。将来的には、新たな知見や人的ネットワークを融合させ、NXグループにおけるサービスラインナップを拡充し、新たな価値の創出を目指す。
●取り組み内容
①End to Endのコールドチェーンの強化
SECAI MARCHEの強みの1つである、生産地と消費地を直接結ぶEnd to Endのコールドチェーン網を強化する。マレーシアの高原地帯にある生産地からクアラルンプールのDCへの幹線輸送や同市内でのミルクラン(※)集荷、ASEAN域内外からの越境輸送等、NXグループがグローバルで培ってきた輸送効率化の知見を活かして、生産者と消費者双方に利益をもたらす新たな価値を同社と共に創出する。
②日本産品のASEAN市場展開の加速
NXグループの生鮮品物流ネットワークと、SECAI MARCHEの販売プラットフォームを連携させることで、日本産品をASEAN域内のホテルやレストランへ届ける仕組みを強化するほか、日本の市場内物流や生鮮品輸出で培ってきた知見を活かして、新たな輸送資材を開発し、より高品質かつ効率的に日本産品を輸出できる体制を強化することで、日本の生産者の海外販路拡大や、同社の事業拡大に貢献する。
●出資先概要
会社名:㈱SECAI MARCHE
本社所在地:東京都千代田区大手町一丁目6番1号大手町ビル1F-3FSpaces大手町
設立年月日:2018年7月
代表者:早川周作氏、杉山亜美氏
従業員数:70名
事業内容
・東南アジアのホテル・飲食店向けの産直ECプラットフォーム「SECAI MARCHE(セカイマルシェ)」を展開
・海外発やASEAN内の生鮮食品のフルフィルメント物流プラットフォームを自社で提供
ホームページ:https://secai-marche.co.jp/
※ミルクラン:物流業者が複数の部品メーカーを回って部品を集荷していく調達物流の方法

