(一社)日本物流団体連合会(物流連)は9月16日、全日通霞が関ビル(東京都千代田区)において令和7年度 第1回 環境・サステナビリティ委員会(委員長:日本貨物鉄道㈱ 取締役兼執行役員 経営統括本部長 高橋秀仁氏)を開催した。

講演会全景

物流環境対策委員会から改称した同委員会は、物流分野の環境対策、カーボンニュートラルの達成や生産性の向上等を通じて、サステナビリティな物流体系の構築を目指すため、諸課題の検討や情報提供を行っている。また、優良事業者・優良事例の顕彰等を通じた啓発活動に取り組んでいる。

第1部は、第26回「物流環境大賞」大賞受賞団体・企業を代表して日本通運㈱を講師に招き、「青森県産りんご モーダルシフトの取り組み」と題して講演会を開催し、対面・Web合わせて59名が参加した。事業統括本部 通運部 次長の植竹裕治氏が講師を務め、青森地区のりんご栽培の背景から話を進め、大賞を共同受賞したJAつがる弘前においては、取扱高の8割以上をりんごが占めていることや、そのブランド力を活かして低温保管倉庫から年間を通じた出荷を行っていること等に触れた。

講師の日本通運 植竹氏

さらに今回の取り組みの契機として、①物流2024年問題への対応、②環境負荷低減による付加価値向上、③安定輸送のノウハウを蓄積しておくこと、の3点を挙げ、2025年度は、作柄にもよるが鉄道利用を前年比約50%増としたい考えにも触れた。

一方、苦労した点として、①保冷コンテナにドライアイスを入れて輸送した場合に、密閉性が高すぎるために発生するりんごの炭酸ガス障害、②鉄道の輸送障害時のBCP対応や、③着市場では、競り落とされた商品が早朝~日中にかけて順次搬出されていくが、鉄道コンテナは午前~日中に配達したいケースが多いため、荷下ろしスペースが不足しがちなこと等を挙げたが、①は通風コンテナの使用、②は関西~九州間でのフェリー併用、③はJAつがる弘前による日中時間帯での荷受スペース確保の働きかけにより、いずれも対応している旨を話した。さらに今後の展開等についても講演し、講演後は聴講者から多数の質疑があったと報告している。

引き続き、㈱野村総合研究所 アーバンイノベーションコンサルティング部の小菅直樹氏より、経済産業省作成の「荷主・運送事業者のマッチングによる共同輸送の手引書」についての案内があった。

野村総研の小菅氏

第2部の委員会では、令和7年度上期活動報告と下期活動計画について審議され、原案通り承認された。特に下期活動計画として、物流分野において、カーボンニュートラル目標の追求や、生産性の向上等を通じて、広く、将来にわたって持続可能な物流を目指す取り組みを行った団体・企業または個人の功績を顕彰する「日本物流大賞」を創設することが決定された。

委員会で議事を進める高橋委員長