(公社)日本医師会は6月23日、日本郵便㈱(JP)および学校法人自治医科大学をはじめとする関係者の参画を得て、6月18日に「公益的なオンライン診療を推進する協議会」を開催したと発表した。

協議会の開催に際し、あいさつを行った日本医師会の松本会長は「オンライン診療は、利便性や効率性のみを重視した安易な拡大は決してすべきではなく、医学的な有効性、必要性、そして何よりも安全性を担保した上で適切に進めていかなければならない」と日本医師会の見解を述べた。
その上で、オンライン診療の必要性が特に高いと考えられるのは、「解決困難な要因によって、医療機関へのアクセスが制限されている場合」であり、離島・へき地、在宅医療等では地域のかかりつけ医による対面診療を補完することも期待されるとしたほか、災害や感染症パンデミック発生時にも迅速かつ適切に医療へのアクセスを確保する手段の1つになるであろうとの考えを示した。
また、医療機関への物理的なアクセスが困難な状況下において、地域住民が集まる公共の場であり、かつ患者のプライバシーの保護等、しっかりとした体制が取れる郵便局を活用することの有効性についても言及。「オンライン診療の適切な推進にはへき地医療に貢献されてきた自治医科大学の協力を得ながら、医療機関、郵便局等が多くの関係者と連携し、それぞれの地域や手法等に応じた利点や課題等について検討・把握し、地域の事情を踏まえて実行していくことが重要になる」として同協議会が開催される意義を強調した。
協議会には、自見はなこ参議院議員、長谷川英晴参議院議員が出席したほか、永井良三自治医科大学学長からはビデオメッセージが寄せられた。
当日は協議会メンバーがそれぞれの立場から発言を行った後、意見交換が行われ、今後、公益的なオンライン診療が適切に推進されるよう、関係者、関係省庁において連携していくことが確認されたとしている。
●協議会メンバー
日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、日本郵便㈱、全国郵便局長会、自治医科大学、内閣官房(新しい地方経済・生活環境創生本部)、総務省郵政行政部、厚生労働省医政局等。