アスクル㈱は2月12日、物流センター運営や配送を担うグループ会社のASKUL LOGIST㈱と共にラストワンマイル配送で利用するEV 5種14台を新たに導入し、2月より順次走行を開始すると発表した。

今回走行を開始する車両は昨年より計画を進めていたもので、国内外問わず検証を進めた中で、国内モビリティメーカー5社から導入した0.3t~1.5tの積載重量の車両。これにより、EVへ切替予定台数中13.2%の進捗となる。

同社は2016年に掲げた「2030年CO2ゼロチャレンジ」の達成に向け、さらなるCO2削減に向けた取り組みを推進していくとしている。

上段左からMINICAB EV、N-VAN e:、TVC-700。下段左からデュトロZ EV、eCanter。

アスクルは2016年、CO2排出量をゼロにする「2030年CO2ゼロチャレンジ」に取り組むことを宣言し、初のEVを導入。2017年には「EV100」(※1)に加盟し、ASKUL LOGIST所有・リースにより使用する配送車両について、2030年までに100%EV化することを目標に掲げた。これまでもアスクルはASKUL LOGISTと共に、個人向けECにおけるラストワンマイルへの使用だけでなく、事業所向けECにおける家具等の大型荷物の配送や物流センターと配送デポ間の輸送に使用する車両の切り替えを実施。さらにEVの最適稼働マネジメント(※2)の実証実験にも携わり、多くのメーカーと共同で車両開発や改良、導入・運用時の課題解決に取り組んできた。

今回の選定にあたり、商用EV車種の取り扱いが僅少な中で国内外問わず視野を広げて検討。安全装備・積載量・操作性・航続距離の観点から日本特有の狭小路でも小回りが利き、実際の配送コースに適応できる実用性の高い車種を選択した。今回の導入に伴い、環境やドライバーへの好影響も確認している。環境配慮の視点としては、今回選定したEV14台の導入により内燃機関車9台の削減となり、CO2については3025.9kg-CO2/月の削減を見込んでいる。走行時は排気ガスを出さないことでCO2排出量がゼロになるため、環境負荷低減につながる。ドライバーへの影響としては、EV特有の静粛性による身体的負担の軽減が挙げられる。モータ駆動により発進・走行が静かで車内は快適な環境が保たれるほか、エンジン音を発しないため、住宅地の走行時も騒音の心配がほとんどなく、実際に配送を担うドライバーの働き方の改善にもつながるとしている。これまでのテスト導入では少ない台数で本格導入に向けた検討を進めてきたが、今回を機に一層のEVへの切り替えを加速させていくとしている。

●導入車両概要