アサヒロジスティクス㈱は2月7日、3月1日より、2024年12月に国内初の「特定技能1号評価試験」に合格した中国籍の大学生である周鴻澤氏(福岡県在住)をトラックドライバーとして採用すると発表した。
同社はこれまで、ドライバー不足の課題に備えて未経験者のトラックドライバーデビューをサポートする体制の整備を進めてきた。自動車運送業分野における特定技能外国人の受け入れ制度の開始を受け、この機会をいち早く捉え、制度を有効に活用できるよう体制を整備しておくことが必要と考えている。
●自動車運送業分野における特定技能外国人の受け入れ制度
出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)により、中小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取り組みを行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材に関して就労を目的とした、在留資格「特定技能」が創設された。自動車運送業(トラック・バス・タクシー)における ドライバー不足解消に向けて2024年3月に特定技能制度の対象分野へ「自動車運送業分野」が追加されている(国土交通省Webサイトより)。
同社は安定的なドライバー確保に向けてトラックドライバーデビューのサポート体制を強化。実技と座学でトラック運転を基礎から学べるドライバー専用研修施設「滑川福田センター」(埼玉県比企郡滑川町)、トラック運転に必要な上位運転免許の取得支援制度、グループ会社である川越自動車学校(埼玉県川越市)での中型免許短期取得プランの導入、全車両のAT化(一部特殊車両を除く)等、年齢、性別、トラック運転経験の有無にかかわらず、安心して入社できる環境を整備している。


現在、同社では日本人ドライバーの採用は比較的順調に進んでいるが、今後、同制度が国内に浸透し、積極的な外国人ドライバーの採用が進んでいくことを想定し、ノウハウを蓄積し、同制度を有効に活用できる体制を整えておくことが必要と考えたという。
こうした背景から、同社初の「特定技能外国人ドライバー」候補として、「㈱外国人ドライバー支援機構(※1)」(福岡県大野城市)を通じて中国籍の大学生である周鴻澤氏(福岡県在住)を受け入れることとした。今後は「特定技能1号外国人ドライバー」における国内第1号認定を目指し、本人には在留資格の切り替えを進めるほか、就労までに準中型免許取得を目指してもらうとしている。
周氏は日本語学校を卒業、現在は日本国内の大学生で今春卒業を予定しており、日本語能力試験N2レベル(※2)を取得している。同社のドライバー育成制度を活用し、周氏のドライバーデビューをしっかりとサポートしていくとしている。
※1:本件に関する外国人ドライバー支援機構のリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000145602.html
※2:日本語能力試験N2レベル:日常的な場面で使われる日本語の理解に加えて、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できる(日本語能力試験Webサイトより)。
●アサヒロジスティクス 人財本部の高橋寛本部長のコメント
今後は外国人ドライバーも配送の担い手として検討していく必要がありますが、当社としては、まずは周氏をしっかりと育成して特定技能1号に関するノウハウを蓄積していくことで、来る時代に備えておきたいと考えております。今回入社いただく周氏が現場で活躍できるよう、責任をもって育成してまいります。さらにそれが、深刻化するドライバー不足に悩む物流業界においても重要な一歩になればと考えています。