ABB㈱、NIPPON EXPRESSホールディングス㈱、NECネッツエスアイ㈱の3社は11月29日、NXグループの日本通運㈱も加えて、日本国内の大規模施設(※1)におけるABB製受変電設備(※2)の工事に関する戦略的協業を開始すると発表した。

左より、ABB バイスプレジデントの石川雅康エレクトリフィケーション事業本部長、日本通運の杉山千尋代表取締役副社長、NECネッツエスアイの西田雄一執行役員常務 兼 社会・環境ソリューション事業本部長

データ使用量の増加やクラウドサービスの普及によるデータセンターの需要増加、為替や地政学的リスク等による工場の国内回帰の動きがあり、日本国内における大規模施設の建設が増えている。それらの施設では、技術の進歩に伴い使用する電力も増加しているため、受変電設備の価格やスペース、それらを設置・運用していくコスト等の課題が顕在化している。

今回の協業では、日本国内における大規模施設向けにコスト削減や省スペース、現地作業の効率化を実現するABB製品の設備設計から輸送、現地据付配線までを一貫して行うことで、受変電設備における人手不足の課題解決に貢献。3社はすでに国内半導体工場における協業の実績があり、今回の協業を契機に事業協力を強化し、日本国内の大規模施設向けにABB社製品の普及を通じて設備内の電気設備に関する課題を解決し、2027年までに15件以上のプロジェクト獲得を目指すとしている。

●ABB製受変電設備について
幅広いアプリケーションに対応するABBの統合ソリューションは、柔軟性および拡張性を提供するモジュール式設計により導入速度を向上させる。工場出荷前に統合されるため、設置・配線作業の削減、工程の遅延やコスト超過の可能性低減、現場での要件の軽減およびより安全な作業環境の促進を実現するほか、環境に配慮した製品も提供している。

●協業における各社の役割
◎ABB
一般産業向け工場やデータセンター等の施設における受電、配電に関するスイッチギア等、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)に準拠し、海外で高いシェアを誇る優れた製品を提供する。国内では、世界で培ったノウハウ、価格競争力、製品力が評価され、実績を積み上げながら拡販に取り組んでいる。

◎日本通運
ABB製品取り扱い実績とこれまで培った設備輸送のノウハウに基づき、それぞれの製品特性に応じた安全かつ効率的な輸送、保管を実施する。さらに商品知識、資格を有するスタッフにより、据付までを一貫して高い品質で実現する体制を構築する。

◎NECネッツエスアイ
電気・通信建設における豊富な対応実績とノウハウを活かし、ケーブルルートやルームレイアウトの設計、ケーブル敷設作業、ABB機器とのケーブル接続等を行う。今後、ABB製品の運用・保守に関するサービスの提供も予定しており、顧客の安定的な設備運用に貢献していくとしている。

3社はすでに国内半導体工場における協業の実績があり、今回の協業を契機に事業協力を強化し、日本国内の大規模施設向けにABB社製品の普及を通じて設備内の電気設備に関する課題を解決し、2027年までに15件以上のプロジェクト獲得を目指すとしている。