日本貨物鉄道㈱(JR貨物)とNIPPON EXPRESSホールディングス㈱のグループ会社である日本通運㈱は、9月27日と28日に実施された「令和6年度大規模地震時医療活動訓練」(主催:内閣府)で、兵庫県災害医療センターをはじめとする医療機関と連携し、DMAT(※)活動訓練で使用される緊急車両の鉄道輸送を行った。
※Disaster Medical Assistance Teamの頭文字を取って略したもので、大地震等の災害時に被災者の生命を守るため、被災地に迅速に駆けつけ、救急治療を行う、厚生労働省の認めた専門的な研修・訓練を受けた災害派遣医療チーム
●輸送概要
2024年9月27日および28日に関東圏で実施された「令和6年度大規模地震時医療活動訓練」において、兵庫県および大阪府の医療機関から神奈川県内の訓練箇所にDMATが派遣されるにあたり、緊急車両の輸送を貨物鉄道で行った。
通常、被災地へ遠方のDMATが出動する場合、緊急車両は医療関係者の運転により移動するが、医療関係者の移動時間や労力の軽減を目的に、今回は幹線区間に貨物鉄道輸送を組み込むことを試験的に実施した。
・鉄道輸送区間
発駅:百済貨物ターミナル駅(大阪市)・神戸貨物ターミナル駅(兵庫県神戸市)
着駅:相模貨物駅(神奈川県中郡大磯町)
・輸送コンテナ個数(輸送台数)
20ftコンテナ6個(うち、オープントップコンテナ3個)




・その他
災害発生時に、災害医療の輸送手段に鉄道を活用する取り組みは、早稲田大学の梅津光生名誉教授が中心となり活動している「Rail DiMeC研究会」において進められており、今回の訓練輸送も同研究会の協力・参加の上、行われた。
なお、同研究会が取り組む「鉄道の災害医療への活用(病院列車構想)」は、今年9月に発表された第23回「日本鉄道賞」の「日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞」を受賞している。