セイノーホールディングス㈱(セイノーHD)と三菱電機㈱は6月18日、三菱電機が保有する三菱電機ロジスティクス㈱の普通株式の一部(所有割合66.6%)のセイノーHDによる取得に係る株式譲渡契約書および、今回の取引後の三菱電機ロジスティクスの事業運営等に係る株主間の取り決めを定めた株主間契約書を締結したと発表した。
今回の取引は関係当局の承認を前提にして、最終的な株式譲渡を、2024年10月1日を目途に実施する予定。本取引により、三菱電機ロジスティクスは三菱電機の連結子会社からセイノーHDの連結子会社に異動することとなり、所有割合としてはセイノーHDにおいて66.6%、三菱電機において33.4%の株式を保有し、三菱電機の持分法適用会社となる予定としている。
現在物流業界では、人手不足に起因した長距離輸送を中心とする「運べないリスク」や、コロナ禍や災害において顕著となった有事の際のサプライチェーンの分断リスク等が顕在化している。また、荷主の取扱商材の多様化、生産拠点および販路のグローバル化を背景に輸送ニーズそのものが複雑化しており、サステナブルな物流サプライチェーンの構築が必要であると認識している。
セイノーHDは、そのような環境下において、「特積みのセイノーからロジのセイノーへ」を重点戦略として、国内拠点の新設やロジスティクス機能のエリア拡大を進め、物流全体の最適化を推進してきた。2023年6月に策定した「中長期の経営の方向性 ~ありたい姿とロードマップ2028~」におけるロジスティクスの展開においては、エレクトロニクス・ソリューション事業部、オートモーティブ・バッテリー物流事業部、ヘルスケア・ソリューション事業部を「3つの注力分野」と位置づけ、海外ネットワークとの親和性をより高めるための産業別ソリューションの拡充による、グローバル企業のサプライチェーンの最適化に取り組んでいる。
三菱電機は、インハウスの物流会社である三菱電機ロジスティクスと共に、事業共通の課題である国内物流2024年問題への対応や、国際間輸送入札の集約等、三菱電機グループ全体のサプライチェーンの最適化を推進してきた。三菱電機ロジスティクスは、三菱電機の事業、製品等に精通し、その取り扱いを十分に把握している強みを活かした物流業務を提供することで、三菱電機グループの物流の品質向上と効率化に貢献している。
今回の取引により、セイノーHDは、三菱電機ロジスティクスが有する大型機器・設備等の特殊輸送、半導体や精密機械の輸送に関するノウハウおよび、ロジスティクスセンター等の資産を活用することにより、エレクトロニクス領域における対応力を強化し、顧客のサプライチェーン最適化に貢献する。これにより「ロジのセイノー」に向けロジスティクス事業を飛躍的に成長させることが可能になる。三菱電機は、三菱電機ロジスティクスがセイノーHDの有する国内、海外の輸送インフラおよびネットワーク、情報システムおよびデジタルプラットフォーム等を活用することにより、調達から販売までの物流をさらに効率化するほか、より安定的な供給網を確立し、顧客により良い製品・サービスを提供することが可能となるとしている。三菱電機ロジスティクスは、セイノーHDが有する国内外の顧客基盤を活用し、三菱電機グループ外へのサービス提供を拡大することにより、企業価値向上を図るとしている。