㈱YE DIGITAL(YEデジタル)は5月21日、物流DXを重点領域に位置づけ2024年問題をはじめとする社会課題を解決するため、世界的なマテハン機器メーカーの㈱豊田自動織機と業務提携契約を締結した。

物流業界では、ECの利用拡大による物量の急増、市場ニーズに合わせた多品種小ロット・時間指定納品等、物流サービスのニーズが多様化しており、さらに少子高齢化による物流労働人口の減少や、2024年問題に代表される労働時間制限の影響で、物流に携わる人材不足が深刻化しており、倉庫における自動化ニーズは急激に高まっている。そのような環境下、YEデジタルでは中期経営計画(2022-2024)にて、AI・IoT 製品による事業規模・領域の拡大を掲げている。特に物流領域における事業拡大を目指し、自動化設備やロボットの一元制御・同期を行う倉庫自動化システム(WES※)「MMLogiStation」や倉庫業務の意思決定支援ダッシュボード「Analyst-DWC」の拡販に注力している。

世界的No.1のフォークリフトメーカーである豊田自動織機は、国内では1980年代から物流システムの開発、製造、販売を開始し、自動倉庫や無人搬送車(AGV/AGF)を中心に優れた自動化機器を提供している。近年は、少子高齢化に伴う労働力不足やECの進展等を背景に、高まる物流自動化ニーズに応えるため、欧米の物流システム会社の買収等、グローバルで物流ソリューション事業を強化している。

優れたマテハン機器(ハード)を提供する豊田自動織機と倉庫自動化システム(ソフト)を提供するYEデジタルが強固な関係を構築することにより、さらなる物流DXを目指すとしている。

※WESとは、物流倉庫業務における基幹システムで、原料や在庫といった物の管理を行うWMS(倉庫管理システム)と、倉庫内の設備のリアルタイム制御を行うWCS(倉庫制御システム)の間で、「物流現場の制御・管理に特化」したシステム。 従来WMSが行っていた現場の制御と管理をWESに分離することにより、WMSの役割がシンプルになり、ロボット・自動化設備の導入や作業手順の変更等、業務の変化にスピーディに対応することが可能となり、倉庫におけるDXを推進できるとしている。

豊田自動織機と合意している業務提携内容は以下の通り。
①システム開発
豊田自動織機が注文を受けた物流ソリューション案件のシステム関連領域において、豊田自動織機との連携推進を強化し、顧客のDX化への貢献と、付加価値が高く品質が確保されたソフトウエアの開発および提供を目指す。

②サービスビジネス
YEデジタルが提供しているITカスタマサービスセンター「Smart Service AQUA」にサービス体制を整え、フィールドで発生する様々な事象に迅速に対応し、顧客満足度向上を目指すほか、事象、用途、環境など多くのデータの蓄積と可視化を行い、データに基づくアクションプランの立案や、データ分析による製品品質の向上、新機能への展開に寄与する高付加価値のサービスを目指す。

③販売支援
YEデジタルが開発・販売する「MMLogiStation」や「Analyst-DWC」等のソフトウエア製品・サービスについて、豊田自動織機の顧客に紹介することにほり、YEデジタルソフトウエア製品等の販売拡大を目指す。

なお、今後ともマーケットシェアの拡大、並びに物流業界が抱える問題解決に向けた取り組みを加速するため、新会社設立等より一層の関係強化に向けた方策を進める可能性について、豊田自動織機社と協議していくとしている。

●YEデジタル社長の玉井裕治氏のメッセージ
この提携を通じて物流業界のDX化を加速しお客様の課題解決に繋がる事を期待しています。特に、豊田自動織機殿の営業力とYEデジタルのシステム開発力およびデータ活用サービスにより、お客様へより迅速かつ効率的なシステムやサービスを提供することを目指しています。また、この提携が、相互の成長と発展を促進するものであると期待しています。