GROUND㈱は4月3日、自社開発・提供する物流施設統合管理・最適化システム「GWES(ジーダブリューイーエス※1)」が、NIPPON EXPRESSホールディングス㈱のグループ会社である日本通運㈱において、NXグループのグローバル標準倉庫管理システム(WMS)「NX-GLOW(エヌエックス グロー)」と連携し、グローバル物流プラットフォーム(PF)の主要な機能の一部として採用されたと発表した。

「GWES」の導入により、リアルタイムに作業の進捗状況を確認し、当日の業務終了時間の判断や、横断的な人員配置変更が可能になり、「人員配置の最適化」を実現する。また、物流センター内のレイアウトをデジタルマップ化し、在庫の動きを可視化することで、保管効率・作業効率を考慮した「最適な在庫配置」を実現することも可能としている。

第1号拠点における今夏の本格稼働を皮切りに、日本通運では今後、「GWES」を含むグローバルプラットフォームを国内の他物流センターへ、さらにはNXグループ各社への展開と2025年には多言語対応によるグローバルな展開を目指しており、GROUNDは「GWES」の継続的な機能の拡充と提供を通じてNXグループを支援していくとしている。

※1:GWES:GROUND Warehouse Execution System、GROUNDが自社開発したWES (Warehouse Execution System: 物流施設運用管理システム)。ミドルウェアとなる共通データ基盤と、AIを適用した各種機能モジュール群で構成されている汎用性・拡張性の高いパッケージシステム

日本通運では、倉庫・物流センターのより効率的な運用と、DX化を加速するため、2022年6月より新たな物流プラットフォームを構築するプロジェクトを開始した。同プロジェクトでは、倉庫・物流センター全体の状況把握と分析、オペレーション効率化、リソース(人・マテハン・ロボット等)の最適化等を検討し、GROUNDの「GWES」の導入を決定した。

導入の第1号拠点として、千葉県内の物流センターで「GWES」の実装が完了し、稼働を開始。今夏の本格稼働を目指している。「GWES」の導入により、日本通運が運営する倉庫・物流センターでの工程を可視化・最適化し、サービスレベル向上とコスト低減を実現する。

●「GWES」導入のポイント
GROUNDが提供する「GWES」は、顧客企業がグローバルに展開する物流センターの統合管理と最適化を支援する、独自AIを活用した情報・分析系WESプラットフォーム。主にWMSを補完し、物流施設全体の状況可視化・分析を支援する。施設管理者の判断業務の精度向上を促し、各工程のオペレーション最適化へとつなげる点が特徴としている。

日本通運では自社のWMS「NX-GLOW」に、「GWES」の業務進捗管理(PA)、作業量分析(WA)、在庫分析(IA)の可視化・分析のモジュール、在庫配置最適化モジュール(SO)を連携させ、新たな仕組みを構築した。人員や在庫配置を最適化し、サービスレベル向上とコスト低減を実現する。

①人員配置の最適化
リアルタイムに作業の進捗状況を確認することで、当日の業務終了時間の判断や、横断的な人員配置変更が可能になる。過去の作業実績から将来の作業量を予測し、繁閑に合わせた人員配置を実現する。それら進捗管理と作業量予測により、労働時間の削減、人件費の低減が可能となる。

②在庫配置の最適化
物流センター内のレイアウトをデジタルマップ化し、各棚に格納されている商品の出荷頻度がわかるヒートマップに加え、ABC分析(※2)環境を提供する。それにより在庫の動きが可視化され、保管・作業効率を考慮した最適な在庫配置の実現に貢献する。

※2:品目を売上高やコスト、在庫等の評価軸を定め、Aランク品、Bランク品、Cランク品にランク付けすることにより、品目別の傾向を分析する手法

NXグループのグローバル標準倉庫管理システム「NX-GLOW」+「GWES」連携概念図
「GWES」概念図(今回導入したモジュールを青色で表示)

●今後の展開
日本通運では今後、「GWES」を国内の他物流センターへと展開し、日本通運の倉庫・物流センター運営における標準プラットフォームとしての構築をさらに推進するほか、NXグループ各社への展開と2025年には多言語展開によるグローバルな活用を目指すとしている。GROUNDは、同プロジェクト推進を支援するほか、今後も「GWES」の継続的な機能の拡充と提供を通じ、テクノロジーを活用した物流の発展に貢献していくとしている。