GROUND㈱は3月29日、さらなる事業成長を目指し、新たな経営体制として、工具通販大手のMonotaRO(モノタロウ)で執行役 物流部門長を務めた吉野宏樹氏が取締役副社長、同社創業期よりソフトウェア開発を担ってきた中島大造氏が取締役、山下佳一氏が社外取締役に就任したと発表した。

物流は生活に欠かすことのできないライフラインの1つである一方、物流業界における「配送小口数の増加」や「人口減少などによる人手不足」は年々深刻化し大きな課題となっている。それらの業界課題に対して、元楽天物流の代表取締役を務めていた宮田啓友氏が2015年に設立したGROUNDは、次世代型物流施設の実現を目指し、AIや物流ロボットを活用したソリューションの開発や提供、コンサルティングを手がけてきた。柔軟で革新的な物流の実現と、物流現場で働く人々が最も付加価値の高い役割を担える新しい環境の構築に向けて取り組んでいる。機械工具卸売商社や倉庫事業を中心に展開する物流企業をはじめ、物流施設全体の最適化や可視化の実現により作業生産性の向上に寄与してきた。

今回、現場に即した庫内オペレーションの設計を進めるほか、業界最先端のマテハン機器導入等を手がけてきた吉野氏を取締役副社長に迎え、GROUNDが目指す次世代型物流施設の実現を推進していくほか、同社創業期よりソフトウェア開発を担ってきた中島氏が取締役に就任し、意思決定のさらなる迅速化を図り、「GWES」(※)をはじめ開発をより一層推進していく。加えて、2023年よりオカムラおよびGROUNDの顧問を務めてきた山下氏はGROUND社外取締役に就任し、両社の連携強化を後押しするとしている。

※GWES:GROUND Warehouse Execution System、GROUNDが自社開発したWES (Warehouse Execution System: 物流施設運用管理システム)。ミドルウェアとなる共通データ基盤と、AIを適用した各種機能モジュール群で構成されている汎用性・拡張性の高いパッケージシステム。

●新任取締役の氏名および略歴

取締役副社長 吉野宏樹(よしの ひろき)氏

◎吉野氏略歴
1997年日本出版販売㈱入社。楽天株㈱、㈱シグマクシスを経て、2011年楽天物流㈱取締役、2012年㈱ロジフォルム代表取締役を歴任。ロジスティクス領域における戦略、プロセス・サービス設計、コスト最適化など一貫してロジスティクス領域に従事。2014年に㈱MonotaRO執行役 物流部門長に就任。複数の大規模物流センターの立ち上げを含む物流拠点ネットワークの構築、通算1,200台超のAGV導入など自動化を促進し、需要予測、在庫配置、顧客サポートなどオペレーション機能全般をリード。直近では新たな自動化技術を活用した次期物流センターの構想、基本設計にも貢献した。2024年GROUND㈱に参画。

◎吉野氏コメント
物流業界では、顧客の多様なニーズへの対応や働き手不足をはじめとした社会課題など事業環境が複雑化し、課題が山積しています。GROUNDは、お客様の過去からの経緯と実際のデータをもとに前提条件を見直すことで、より長期的な視点から根本的に、業界全体や社会を構造化してお客様の物流変革を支援、リードするアプローチをとっています。私はこのプロフェッショナル集団の一員として、ロジスティクスの新しい価値づくりに挑戦し、社会貢献の役割を果たしてまいります。

取締役 中島大造(なかじま だいぞう)氏

◎中島氏略歴
1997年より倉庫運輸業の在庫管理・配送管理・通関のシステム開発に従事。2001年㈱セゾン情報システムズへ入社し、物流システムを中心にEDI等の大型SCMシステムのPMを担当。GROUND創業期の2016年に入社以来、「GWES」の前身「Intelligent EYE」を含む自社開発すべてのソフトウェアの企画・開発に従事。2021年より開発本部長、2022年より執行役員を務め、2024年取締役に就任。物流技術管理士、データベーススペシャリスト等の資格を持つ。

◎中島氏コメント
働き方改革関連法の猶予期限を目前に控え、運送費の値上げやドライバーの負担低減のための荷役を含む付帯業務カットの動きが加速しています。倉庫運営者への物流費抑制のニーズが高まる一方、物流現場での作業者の負荷も増しています。これら物流業界を取り巻く様々な社会課題解決のため、GROUNDは創業以来一貫して、AI技術や国内外の最新の物流ロボットを活用することにより物流DXを推進してきました。私もより一層、物流現場の効率化と持続可能性の向上に貢献できるようまい進してまいります。

社外取締役 山下佳一(やました よしかず)氏

◎山下氏略歴
1980年㈱岡村製作所(現オカムラ)入社。1993年 物流システム事業のマーケティング部長、一貫して物流システム機器の新製品開発や海外企業提携を推進。2014年にはノルウェー発のロボット自動倉庫「AutoStore」の国内正規販売店契約をまとめ、以降の同社物流システム事業の躍進に貢献。2019年同社執行役員就任、2023年同社顧問に就任。(一社)日本物流システム機器協会 運営幹事・技術部会長も務める。2023年4月よりGROUND顧問を務め、2024年社外取締役へ就任。

◎山下氏コメント
GROUND創業間もない頃からのご縁により、この度、取締役任命を賜りましたことを心より感謝申し上げます。物流業界は今、労働集約型産業から装置産業に向けた変革途上にあります。GROUNDは様々なロボットソリューションとソフトウェア「GWES」の提供によって、この変革期に貢献しており、これからもますます高度化するニーズにお応えするために、製品・サービスを磨きつづけております。私もマテハン機器や物流ロボットの開発経験を活かし、GROUNDメンバーの一員として活動に参加できることを嬉しく思います。

●GROUNDの新経営および業務執行体制

[役職/氏名(敬称略)]
▽代表取締役社長/宮田啓友
▽取締役副社長/吉野宏樹(新任)
▽取締役/奥 淳己
▽取締役/中島大造(新任)
▽社外取締役/山下佳一(新任) ※元㈱オカムラ 執行役員/㈱オカムラ 顧問
▽社外取締役/清水 博 ※元Manhattan Associates日本法人代表取締役
▽取締役常勤監査等委員/笹葉 謙
▽取締役監査等委員/加藤進一郎 ※(一社)日本3PL協会 専務理事/元トーヨーカネツソリューションズ㈱ 代表取締役社長
▽取締役監査等委員/鶴間規文 ※税理士法人鶴間・及川会計事務所 代表税理士
▽執行役員ソリューション本部長/品川竜介
▽執行役員管理本部長/伊藤公祐
▽顧問/稲葉紘一 ※元㈱オカムラ 取締役/元㈱オカムラ物流 代表取締役社長

※山内基弘、浜野豊は同日開催の定時株主総会終結をもって退任した。