(一社)日本物流団体連合会は9月27日、全日通霞が関ビル(千代田区霞が関)で令和4年度第1回物流環境対策委員会(委員長:日本貨物鉄道㈱ 取締役兼常務執行役員 経営統括本部長 篠部武嗣氏)を開催した。

委員会に先立ち、物流分野における環境対策への取り組みに関する講演会が開催され、物流連主催の第23回物流環境大賞で大賞を受賞した日本通運㈱より「脱炭素社会に向けた物流支援ツールのご紹介」と題して、大賞受賞案件について講演が行われた。

講師は同社ロジスティックス・ネットワーク事業本部 ネットワーク商品企画部 専任部長の藏田隆典氏が務め、開発時の苦労点からツールを使用して得られる内容まで具体的に説明、聴講者からもわかりやすいと好評を得た。

講演を行う日本通運㈱の藏田隆典氏

今後の展開にも話が及び、藏田氏は現状では二酸化炭素排出量を完全にゼロにする手段はないとした上で、同ツールを活用しながら2050年度に向けてカーボンニュートラルの実現に向けて検討していくこと、NXグループが強みを生かし、環境にやさしい物流改善提案をすることで顧客の脱炭素化の一助となればと考えているとし、講演を終えた。

講演はオンラインでの同時配信も行い、海外からの申し込みを含む91名が参加。講演後の質疑応答では顧客の反応、今後の展開、輸送経路の元となるマップデータ、混載荷物の積載率等に関して質問が寄せられた。

講演会に続き開催された委員会では、冒頭、今年6月から新たに就任した篠部委員長の挨拶が行われ、令和4年度上期の活動報告並びに下期の活動計画(案)の審議が行われた。

篠部武嗣委員長(日本貨物鉄道㈱)
委員会全景

まず令和4年度上期の活動報告については、物流連が主催する「第23回物流環境大賞」の表彰結果、同じく物流連主催の「第9回モーダルシフト優良事業者表彰」と、国土交通省等と共に運営している「令和4年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」の公募について進捗状況が報告されたほか、昨年度より新たに始まった「物流分野における低炭素・脱炭素化推進に向けた情報交換会」について令和4年度1回目の活動が報告された。

続いて、下期の活動計画(案)について、上期からの各種表彰制度を継続実施し、受賞事例は講演会等で紹介してさらなる普及・促進に努めること、「物流分野における低炭素・脱炭素化推進に向けた情報交換会」の活動や、環境に関するシンポジウムを行うことが提案され、活動計画案は原案通り承認された。次回の委員会は2023年3月頃の開催を予定している。