(一社)日本物流団体連合会(物流連)は3月11日、全日通霞が関ビル(千代田区霞が関)で、令和3年度第2回人材育成・広報委員会(委員長: NIPPON EXPRESSホールディングス(株)代表取締役副社長 副社長執行役員 堀切智氏)を開催した。
委員会に先立ち開催されたオンライン講演会には76名が参加、講師の西日本旅客鉄道(株) 常務技術理事 安全研究所長の河合篤氏より「ヒューマンファクターの理解と安全性の向上」と題した講演が行われた。
講演では、はじめにヒューマンエラーは人間が本来持っている脳内のプログラムの特性と、作業環境や作業内容が上手く合わなくなった結果として起こるものと考えられ、「安全」を高める上で注目すべき人間の特性について詳しく説明された。
続いて、①個人レベルの課題、②インターフェイスにおける課題、③グループ・組織の課題、④トラブル発生時の課題から見た取り組み事例を交えて具体的な説明が行われたほか、3段階の安全対策として、再発防止対策、リスク・マネジメント、レジリエンス・エンジニアリングが示された。
続いて開催された人材育成・広報委員会では、冒頭、堀切委員長は、「新型コロナウィルス感染症の影響により、我々の活動が依然として大きな制約を受けている中、オンライン併用の新たな活動方法も工夫改善を重ねて、良い形で定着してきていると思う。コロナ禍の影響から採用を控えていた企業が採用を増やしていると聞いている。今年の物流業界研究セミナーは、参加企業は増えたものの、参加学生は減少傾向にあったと聞いているが、それも今年の売り手市場傾向を裏付けるデータかもしれない。その意味では、今年はこれまでの活動の真価を問われる年になるのではないか。優秀人材の確保は我々個々の企業も努力を重ね、真の意味で物流事業の魅力を高めていく努力をしなければならないと感じている」と挨拶した。
議事では、事務局から年間活動報告として、昨年8~9月に開催した「物流業界インターンシップ」や、「寄附講座」、「大学学内セミナー」の実施、会員の若手で構成する「物流いいとこみつけ隊」の活動状況等の報告がなされた。
続いて、今年1月15日から開催された「物流業界研究セミナー」東京、大阪、Webの活動報告が行われた。対面で232名、Webで約580名の学生が参加し、その後に行ったアンケート結果から、物流業に対する理解が深まり、かつ業界への就職志望も強まった旨の説明があり、同事業を会員企業・団体と共同して継続実施していく重要性が再度確認された。
最後に令和4年度に取り組む事業として、「物流業界インターンシップ」、「物流業界研究セミナー」の開催や、大学と共同実施する「大学寄附講座」「大学学内セミナー」、さらに「物流業のイメージアップ・発信に向けた取組み」等についての方針が説明され、承認された。