(一社)日本物流団体連合会(物流連)は7月27日、令和8年度第2回「海外物流戦略ワーキングチーム会合」を千代田区の全日通霞が関ビルで開催した。

同会合は物流事業の海外展開に関する課題を官民連携で検討するもので、ワーキングチーム会合は、海外において我が国の物流事業者がどのような問題を抱え、どのような要望を持っているか等を把握し、1企業を超える横断的問題について検討を行うために定期的に開催している。

第1部の講演会では、㈱海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)の常務執行役員企画総務部長である富田建蔵氏を招き、「物流事業のグローバル進出における官民ファンドの活用可能性について」と題して講演してもらった。講演会はワーキングチームメンバー以外も多数聴講し、Web参加を含めて合計34名が参加した。

講演したJOIN富田建蔵氏

富田氏からはJOINが海外インフラ投資に特化した国土交通省所管の官民ファンドであり、長期的な事業投資を支えるために設置期限が定められていない恒久的な組織であるという特徴が紹介された。日本企業の海外展開を「出資」と「ハンズオン支援」の両輪で後押ししており、これまでに46件の支援実績があることや、物流分野においてはこれまでに5件の支援実績(インドネシアでのコールドチェーン倉庫運営、ベトナムの総合物流事業への参画、マレーシアでのコールドチェーン物流企業のM&A、ベトナムでの車載冷凍冷蔵設備製造事業、米国での化学品物流倉庫事業)があり、そのうち4件がコールドチェーン関連であることが示された。

現在の中期経営計画においては、大企業だけでなく中堅・中小企業や地方企業を含む海外進出支援に取り組む方針が明記されており、企業の大小を問わず柔軟な投資設計や現地政府との交渉支援(ハンズオン支援)が可能であるとして、会員企業へ積極的な相談・活用が呼びかけられた。

第2部のワーキングチーム会合は、Web参加を含め合計で31名が参加した。国土交通省 物流・自動車局 国際物流室 小柳美枝子室長から「最近の国土交通省の国際物流施策の取り組みについて」、主に以下の3つの重要事業の進捗について説明があった。主な内容は以下の通り。

最近の取り組みを発表する国土交通省の小柳室長

①国際物流の多元化・強靱化事業
ロシアのウクライナ侵攻や地政学的リスク(ホルムズ海峡の長期緊迫化等)に対応するため、従来のシベリア鉄道等に頼らない代替輸送ルートの実証事業を数年にわたり実施している。海上輸送および陸上輸送を組み合わせた代替ルート(カスピ海ルート、上海経由ルート、オーストラリア経由ルート、大連経由カザフスタン陸送ルート等)の具体的な進捗と課題について共有された。

②日中韓における物流協力
直近の取り組みとして、リターナブル容器(繰り返し使用可能なコンテナ等)の活用に向けた実証事業の取り組み等、近隣諸国との間での効率的な物流体制の構築について報告された。

③ASEAN地域におけるコールドチェーン物流サービス
日系物流事業者が多く進出するASEAN地域における、コールドチェーン物流サービスの品質向上や標準化に向けた実証事業の進捗が共有された。