大型トラック用自動運転技術開発メーカーの中国Inceptio Technology(Inceptio社)は5月、Inceptio Autonomous Driving SystemおよびTruck Navigate-on-Autopilot(T-NOA)機能を搭載した大型トラックの安全な業務運行が1億kmを超えるという重要なマイルストーンに到達したことにより、自動運転トラックの商用化におけるInceptio社の世界的リーダーシップがさらに強化されたと発表した。

Inceptioの技術を搭載した自動運転トラック

Inceptio社の技術を搭載したトラックは、2023年8月の時点で5,000万kmを上回る安全な業務運行を実現していた。同社はその実績に基づき、トラックの対応車種を即座に拡大させたことにより、2024年4月末までに区切りとなる1億kmという距離を達成することができたとしている。

Inceptio社のAutonomous Driving Systemは、中国の7つの経済特区を結ぶ国道の83%をカバー。1億kmの達成には。延べ1,864人のドライバーが関わり、彼らはInceptio社の技術を搭載したL3およびL2+トラックを日常業務で安全に運行した。

Inceptio社の現在の顧客には、ZTO Express、YTO Express、STO Express、JD Logistics、およびSF Express等、中国のすべての大手物流企業が含まれている。Inceptio社は、特にコールドチェーン、自動車、飲料、および日用品を含むコントラクトロジスティクス分野でも幅広いシェアを確立しており、BudweiserやNestle等の世界的ブランドにもサービスを提供している。Inceptio社の自動運転技術は、大規模物流企業から小規模フリートや個人の運送業者に至るまで、多様な利用者に対応できる基盤を有している。

Inceptio社は、Inceptio Autonomous Driving Systemを量産型トラックにあらかじめ組み込めるようにするため、中国の大手トラックメーカー数社と提携した。こうした提携により、Inceptio社の技術を搭載したトラックの台数は拡大している。これには、4x2と6x4の両方の車軸構成を有するDongfeng、Sinotruk、Foton、およびLiuqi社製の人気車種も含まれており、長距離物流業界の多様なニーズにも適切に対応することが可能としている。

●INCEPTIO Technology社
https://en.inceptio.ai/

Inceptio Technology社は、大型トラック用自動運転テクノロジにおける中国有数の開発メーカー。同社の主力技術は、フルスタックの独自ソリューションであるInceptio Autonomous Driving System。同社は大手OEMメーカーと提携して、2021年後半に業界初の量産型L3自動運転トラックの提供を開始した。それらのトラックは、速達便、小口トラック(LTL)輸送、およびコントラクトロジスティクスを含む長距離物流業界の顧客によって中国全土で運行されている。Inceptio社は完全無人走行トラック向けの最先端の技術を開発しており、2022年には大型の無人自動運転トラックの公道テストの許可を中国で取得した初の企業となった。