NIPPON EXPRESSホールディングス㈱は10月10日、グループ会社のNX南アジア・オセアニア㈱(NXSAO)がマレーシアのクアラルンプールからパダンベサールまでマレーシア鉄道を利用した専用列車による鉄道貨物輸送のトライアルを、9月20日~22日に実施したことを明らかにした。今後、ASEAN域内を繋ぐクロスボーダー鉄道貨物輸送サービスの構築を目指すとしている。

今回のトライアル輸送ルート図

今回のトライアル輸送の様子

ASEAN地域では、域内各国の経済連携により拡大する国際物流需要と、購買力向上による消費財需要の高まりにより、サプライチェーンの再構築が検討されている一方、気候変動問題や、トラックのドライバー不足、燃油費の高騰等の社会課題が発生しており、ASEAN地域でもカーボンニュートラル社会を実現するための具体的な取り組みや、輸送能力の増強が大きな課題となっている。

NXグループは上海からシンガポールの約7,000kmを結ぶ陸路輸送サービス「SS7000」を整備し、トラック輸送の定期混載サービスを提供しているほか、世界各国でカーボンニュートラル社会を目指す動きが加速する中、2022年4月から中国とラオスを結ぶ国際鉄道を利用し、ASEANと周辺国を繋ぐ新たな複合輸送サービスを開始している。

今回、さらなるCO2排出削減に貢献する物流サービスを開発するため、マレーシアのクアラルンプールとパダンベサール間において専用列車によるトライアル輸送を行った。

●マレーシアにおけるトライアル輸送の内容
ルート:クアラルンプール(SGW)⇔パダンベサール(PDB)
日程:(往路)SGW発 9月20日(水)21時→PDB着 9月21日(木)9時
   (復路)PDB発 9月21日(木)19時→SGW着 9月22日(金)7時
コンテナ:40FTコンテナ×30本

●今後の取り組み
NXグループはマレーシア、タイ、ラオス、カンボジア等の鉄道を活用し、今後ASEAN地域において国際鉄道輸送ネットワークを構築することを目指すとしている。