㈱カインズは7月24日、ホームセンター(HC)のグローバル業界団体であるEDRA/GHINが、「Global DIY-Summit 2023」(6月15日ベルリン開催)で立ち上げを発表した、業界連携で行う温室効果ガス排出のScope3領域を検討するタスクフォースに、米ホームデポや英キングフィッシャーなど各国を代表する大手HC企業とともに、日本から唯一参画すると発表した。

Scope3タスクフォース参画企業(発表時の会場スクリーン画像)

EDRA/GHINの2023年6月15日リリースによると、小売企業にとってScope3(事業者の活動に関連する他社の温室効果ガスの排出量)は、総排出量の90%以上を占めている。その割合の大きさから最も重要である一方、直接的な管理対象ではないため、対応が最も難しい領域になっているとしている。

企業がScope3のカーボンフットプリントを測定・報告するにあたっては、様々なアプローチや手法が用いられている。これはバリューチェーン全体で排出量を削減しようとする小売企業に混乱と非効率を引き起こし、サプライヤーであるホームセンター関連商品メーカーにさらなる負担を強いている。

EDRA/GHINのScope3タスクフォースでは、サプライチェーンを通じたCO2データの測定に対して、より一貫性のある方法論を作成すること、報告手法におけるベストプラクティスを共有すること、さらに最も重要課題としてHC業界のScope3の排出量削減を加速させることを目指すとしている。

ここでの学びは、EDRA/GHIN全メンバー企業のメリットとして共有していく予定としている。

●EDRA/GHINについて
European DIY Retail Association(EDRA)とGlobal Home Improvement Network(GHIN)の2団体から構成されるHCのグローバル業界団体。223の企業が加盟し、カインズの代表取締役会長の土屋裕雅氏は理事会メンバーの1人として参画しているとしている。
https://www.edra-ghin.org/

●カインズのカーボンゼロへの取り組み
カインズは2021年10月に発表した「くみまち構想」の具体策第1弾として、2050年までのカーボンゼロ(CO2排出量実質ゼロ)実現にむけた目標を策定。2025年までに、Scope2(自社店舗・オフィス・倉庫など建屋)のカーボンゼロを達成した上で、2050年までにカインズのサプライチェーン全体(Scope1、2、3)のカーボンゼロを達成するほか、カインズのある「まち」のカーボンゼロ達成(「まちごとカーボンゼロ」)にも貢献していくことを目指している。

●「くみまち構想」について
「まちのくらしをみんなで DIY」。創業以来、「商業を通して社会の発展に貢献する」ことを志に、同社の各店舗が各地域の住民の生活・暮らしに寄り添いながら事業活動を行うカインズの構想。同社は、同社の店舗や従業員(同社では「メンバー」と呼称)がハブとなり、地域の困りごとや関心、ニーズに丁寧に耳を傾け、暮らしに携わる様々なステークホルダーと協働/共創することにより、住民が自立し、共に助け合う、“1人ひとりが主役になれる「まち」(≒地域社会)”の実現を目指すことを掲げている。
https://www.cainz.co.jp/about/kumimachi/