(一社)日本物流団体連合会は7月19日、令和5年度第1回「海外物流戦略ワーキングチーム会合」を千代田区の全日通霞が関ビルで開催した。
同会合は物流事業の海外展開に関する課題を官民連携で検討するもので、会員企業や国土交通省から44名が参加した(うち20名がWeb参加)。
令和5年度のワーキングチームでは、物流業界のグローバル化を進める上で重要な「ベトナムの物流事情」について調査を行う。
そこで第1部の講演会では、(独法)日本貿易振興機構(ジェトロ)の庄浩充氏が「コロナ禍以降のベトナムの経済概況と日系企業動向」と題して講演した。講演にはWeb参加者を含めて合計86名が参加した。
講演は、一般概況、経済動向、進出日系企業動向について詳細なデータを用いて行われた。はじめに、同国の物流インフラ状況について今後整備される予定の港湾、空港、高速道路および鉄道構想に関する説明があった。
続いて同国の経済動向について、GDP成長率はコロナ禍でもプラス成長を維持しており、2022年は8.0%と高い成長率があったことを解説された。これは外需(製造業の輸出)の伸びに加え、内需の大幅回復が要因であると説明された。
最後に、日本企業の進出状況について解説。多様化する投資環境に合わせた投資をすべきと締めくくり、講演は終了した。
第2部のワーキングチーム会合では、国土交通省総合政策局、国際物流室の髙橋潤氏と加藤大河氏が最近の国土交通省の国際物流政策の取り組みについて説明した。具体的には、国際物流の多元化・強靭化についてのリスク要因の説明や、日中韓物流大臣会合およびASEAN におけるコールドチェーン分野の取り組み状況が報告された。
その後、事務局が今年度のワーキングチーム行動計画と海外物流事情実態調査についての報告と確認を行った。今年度の調査は海外現地への実地調査を予定していることを発表した。参加メンバーからは調査内容に対する要望等の発言があり、活発な意見交換が行われた。